パーオープルシティAI、広告ビジネス構築に慎重姿勢を示す:カンヌライオンズでの低調な出展から見えてきた戦略
パーコンピュテックスAIは広告ビジネス構築に慎重な姿勢を見せている。同社は会話型AIで駆動する検索エンジンで、先進的な「提携フォローアップ質問」形式の広告を取り入れた。この広告はオーガニック検索結果後に現れ、ユーザーが次に必要な情報を引き出すよう促す形でデザインされている。また広告主自身はこれらの提携質問の作成や編集中には直接関与せず、広告クリック率も比較的良好であると報告されている。しかしまだ収益化の全体像は確立しておらず、広告モデルについては今も研究中だという。 先月のフランスでのカンヌ・ライオンズ広告祭において、パーコンピュテックスの代表取締役兼ビジネス開発部長のRyan Fouttyは、同社が広告収益化を模索している現状について述べた。その際、同社の代表たちはメタ、亚马逊、Googleのような大手企業の大規模なビーチイベントとは対照的に、静かな対話を重ねる中でビジネスパートナーとのつながりを探っていた。 さらに、パーコンピュテックスはProサービスの会員向けにブランドのオファーとディスカウントを提供する特典プログラムを最近立ち上げている。広告と特典プログラムはまだ米国限定であるが、Fouttyは将来的に更なる広告フォーマットの導入や、ショッピング機能や旅行予約機能などの収益化を検討中だと強調した。 一方でマーケティングエージェンシーJellyfishのSEO担当ディレクターEric Hooverは、現在同社の広告にはマーケターからの温かさが足りずに、採用される可能性は低いと語っている。また、パーコンピュテックスのユーザー数は明示されていないが、CEOのAravind Srinivasは5月に7億8,000万のリクエストを受け付けたとし、これは4月のリクエスト数と比べて20%の増加であったとの発表がある一方、GoogleのAIオーバービューは5月に15億人もの利用者を記録していたとされる。 広告収益に関しては出版社との利益共有も試みられており、Time、Fortune、及びDer Spiegelといったパートナーが広告によって得られる利益の一部を得ている。ただし、昨年6月に始めたこの利益分配モデルは起步段階にあるとされ、具体的な利益の大きさについては現状明らかにされていない。 昨年、Rupert Murdochが所有するDow Jonesとの間では著作権侵害への法的争いが勃発した。しかしパーコンピュテックスは訴訟の内容が必ずしも真実と乖離したものであるとした上、自己防衛する意向を表明している。Cloudflareが先週AIクローラーの自動ブロックを開始したこと等、業界を取り巻く環境は依然厳しさを増している。 パーコンピュテックスAIは広告の新しい視点を提供し、ユーザーと広告主が共に利となる収益化方法を探究しているが、その道のりはまだ始まったばかりとも言える。同社は著作権問題について対峙しつつもあるが、ユーザー体験向上に焦点を当て、着実に収益化への道を見つけていくと予想される。また親会社がAIライバルOpenAIとのコンテンツライセンス契約を持っているJellyfishのHoover氏も、パーコンピュテックスの収益化戦略について注目している。