GitHubのCEO退任でMicrosoftのAI戦略に統合深化、開発者向けAIプラットフォームへ再編
GitHubのトーマス・ドームケCEOが退任し、MicrosoftによるGitHubの統合がさらに進んだ。ドームケ氏は、2018年のMicrosoft買収以降、約4年間GitHubのCEOを務めてきたが、今後は「再びスタートアップの創業者として活動する」ことを理由に退任を発表した。彼は2025年末まで在職し、移行を支援する予定だ。 GitHubは買収後も独立した存在として運営されてきたが、ドームケ氏の退任を機に、組織構造が大きく変更された。MicrosoftはCEOの後任を任命せず、GitHubのリーダーシップチームは今後、Microsoftの「CoreAIチーム」に直接報告する体制となる。CoreAIチームは、元メタ幹部のジェイ・パリク氏が率いる新設のエンジニアリンググループで、Microsoftのプラットフォーム・ツール部門や開発者部門(Dev Div)を統合。AIプラットフォームと開発者向けツールの構築を主なミッションに掲げている。 ドームケ氏は、GitHubが「世界中で分散したリモートファースト組織」として築き上げた成果に誇りを持ちつつも、今後はAIの未来を自らの手で切り開くための新たな挑戦に移ると述べた。彼は先週の「Decoder」での登場で、GitHub Copilotや「バイブコーディング」、AIによるソフトウェア開発の将来について語っていたが、その直後に退任を発表した。彼の動きは、MicrosoftのAI戦略に反発する新たな競合の可能性を示唆している。 なお、GitHubは既にCoreAIの一部ではあるが、今回の変更により、CEOを経由した一元的な経営体制が解消され、開発者向けAIの「エージェント工場」を実現するというパリク氏のビジョンに、GitHubの機能がより深く統合される。