LYMPHIRの米国承認を前に、Citius OncologyがAIプラットフォームを導入し販売・マーケティングの精度を強化

シティウスオンコロジー（Citius Oncology、Nasdaq: CTOR）は、皮膚T細胞リンパ腫（CTCL）治療薬「LYMPHIR™」の上市を前に、自社開発のAIプラットフォームを導入したと発表した。このAIシステムは、治療実績や診断パターンのデータを分析し、LYMPHIRの対象とされる可能性のある医療機関や医師を精密に特定する。機械学習を活用して、リアルタイムの米国保険請求データやマーケティングパフォーマンスを継続的に反映することで、ターゲティング精度と営業活動の効率を高める仕組みだ。 同社のマズール会長兼CEOは、「このAIは、臨床知識と経験を持つ営業チームを補強するツールであり、科学、臨床ニーズ、患者アクセスをより知的にかつスケーラブルに結びつける」と強調。AIは単なる補助ではなく、医師との接点を最適化し、患者への治療機会を拡大する役割を果たす。 LYMPHIRは2024年8月にFDA承認を受け、再発または治療抵抗性のステージI～IIIのCTCL患者を対象とした標的免疫療法。IL-2受容体に特異的に結合し、腫瘍細胞と免疫抑制性T細胞（T-reg）を標的とする再組換え融合タンパク質。ただし、重大な副作用として毛細血管漏出症候群（CLS）、視覚障害、輸液反応、肝毒性が報告されており、使用には慎重なモニタリングが不可欠。 シティウスオンコロジーは、AIを活用したデータ駆動型営業体制を構築することで、限られたリソースの中で効果的な市場展開を目指す。同社は2024年時点で、LYMPHIRの初期市場規模が4億ドル以上と推定し、既存治療では満たされていないニーズに応えると位置づけている。AIの導入は、臨床研究から商業化までの連携を強化し、患者の治療選択肢を拡大する戦略的施策の一環である。