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AI投資のリターン期待が急増、米大手企業CEOの7割が1〜3年で成果を予想

6日前

米国最大手会計事務所KPMGのUS部門トップ、ティム・ウォルシュ氏は、CEOたちのAI投資に対する自信が昨年とは「まったく逆の方向」に傾いていると指摘した。同氏がBusiness Insiderに語ったところによると、400社のトップを対象に実施されたKPMGの調査で、AI投資の成果が1〜3年以内に得られると予想するCEOの割合は、2024年の21%からほぼ7割に急増した。さらに、6カ月から1年以内に成果が出ると見込む人も10%に上り、前年はわずか1%だった。調査期間は8月上旬から9月中旬にかけて実施された。 ウォルシュ氏は、AIの進化速度に比して、企業経営者の期待が急速に高まっていると強調。「AIは、人間の働き方をすべての業界で変える」と述べ、労働構造の変化が不可避だと警告。特に、中間スキル層の職種が最も影響を受ける可能性があると指摘。企業の組織構造は、従来のピラミッド型から「時計型(アワーガラス型)」へと変化する可能性があるとし、トップと基盤層は拡大し、中間層が縮小する傾向が見込まれる。 しかし、その変化のスピードや程度については不透明な部分が多く、ウォルシュ氏は「誰も正確には分からない」と語る。AIが業務を自動化しても、単なる人員削減ではなく、従業員の再教育とキャリア転換を促す「再訓練」が重要だと強調。AIが人間の仕事を補完するのではなく、新たな価値創造の基盤になると期待している。 また、AIの導入に伴い、多くの企業が人材育成の仕組みを急ピッチで見直している。86%のCEOが来年までにAIエージェントをチームの一員として統合すると回答。約3割は、AIの導入により2〜5年以内に一部の職務を削減する計画がある。 一方で、関税の影響も企業の経営を揺るがしており、9割近くのCEOが今後3年以内に業績に影響が出ると予想。価格引き上げを検討する企業も多数。ウォルシュ氏は、こうした変化の渦中で、企業経営者が「不確実性と変化」を前提に、より速く、柔軟に動く必要があると締めくくった。

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