Back to Headlines

マスク氏がAIチャットボットに性別化された幻想を仕込む Grok Imagineの性差別的コンテンツが物議

3日前

エロン・マスク氏が率いるAI企業xAIが、新機能「Grok Imagine」を発表し、X(旧Twitter)上で一連のAI生成画像を投稿している。しかし、その内容は技術の進化ではなく、性別に関する偏見と特定の男性視点に偏った幻想を強調している。マスク氏は8月2日以降、自身のアカウントで多数の画像と動画を投稿。対象となるのは、露出度の高い戦士、レザー装着の支配者風の女性、ビーチでビキニを着た女性など、性的に描写された女性像が中心だ。多くの画像は「支配と服従」「BDSM美学」「脆さを強調した美しさ」といった、伝統的な男性視点に基づくステレオタイプを再現している。 特に注目すべきは、マスク氏が「後ろを向いて」などの指示を加えて動画を生成し、視覚的臨場感を高めている点だ。この操作は、観察者に「見せる」ことへの意図を明確に示している。同機能の公式アカウントも、マスク氏の投稿に「動画アニメーションの可能性にワクワクしている」と反応し、「次に何をアニメーションするか?」とファンの想像を誘うコメントを発信。AI生成コンテンツが「幻想の実現」であることを、自らの言動で肯定している。 こうした戦略は、マスク氏が人気を博す「マノスフィア」(男性中心のオンラインコミュニティ)に直接アピールするものである。ここでは、性別に偏った理想化された女性像が文化的価値として機能しており、マスク氏の選択は単なるプロモーションではなく、ユーザー層との共鳴を狙った戦略的行動と解釈できる。 AI技術の進化が社会に与える影響についての懸念は過去にも指摘されてきたが、xAIはそのリスクを無視し、男性中心の欲望を商品化する形で市場参入を図っている。この動きは、AIの未来を巡る競争において「性的な魅力」が依然として強力なマーケティングツールであることを改めて示している。技術の進歩よりも、ユーザーの欲望をどう掘り起こすか——その点で、Grok Imagineは、マスク氏のブランド戦略の本質を端的に映し出している。

Related Links