ポール・ポープ、AIによる著作権侵害よりも「殺人ロボット」に懸念 ポール・ポープは、21世紀を代表する漫画家として知られていますが、彼はAIが創作物を模倣することよりも、監視やドローンといった技術の悪用に大きな懸念を示しています。ポープは、自身の作品をAIに利用されることよりも、テクノロジーが戦争や監視に使われる未来への警戒心を強めています。 このタイトルは、ポール・ポープがAIの著作権問題よりも、その他のテクノロジーの倫理的問題に注目していることを簡潔かつ明確に伝えています。テクノロジーのマニアにとっても、重要な議論のテーマであり、注目を集めやすい内容となっています。
漫画家ポール・ポープは、21世紀を代表する作品「Batman: Year 100」や「Battling Boy」などで知られる。しかし、前作の刊行から10年以上が経過し、彼の最新作はまだ未発表の状態だった。それらの挫折感を経て、近年再び活動を活発化させている。ポープはニューヨークのフィリップ・ラボンギャラリーでキャリア全体を振り返る展示を開催し、「PulpHope2: The Art of Paul Pope」の出版や「THB」という自著のSF物語の第1巻収録が予定されている。これらは彼にとって自己再紹介や再ブランディングを計る戦略的一環となっている。 ポープはグラフィックノベル制作について「小説を書くようなもので、契約に基づいて何年もかかる」と述べ、その間誰も作品を見られないことに苛立ってきたという。しかし、これほど大量的に未発表の作品を持ちつつ、彼は新しい一歩を踏み出した。「THB」や「PulpHope2」の刊行、そしてギャラリーでの展示は、その代表的な取り組みだ。 さらに、漫画業界とクリエイティビティ全般が抱える課題として、AIの出現があります。出版社や作家たちがAI企業を訴える一方で、生成型AIツールが人気のあるアーティストのスタイルを模倣することで話題を集めている。ポープも「人気のあるコミックアーティストをAIに置き換えることは十分に考えられる」と語る。しかし、彼自身はデジタルツールをほとんど使わず、インクと紙に墨で描く伝統的な手法を貫いている。 「アナログ手法は厳しい学習曲線を持つが、それは自分の技術を磨く貴重なプロセスだ」とポープは語る。彼はAIが芸術的な表現を完全に置き換えられる可能性にも懸念を示す一方、「AIが戦争や監視、ドローンなど危険な分野のために使用されてしまうことの方が、もっと深刻な問題だと考える」と指摘する。 ポープは、自身の芸術作品が無許可でAIに利用されることに対して法的な問題があると認めつつ、AIが独自の創作をする capability には欠けているとも言及する。彼は人類の独創性が機械知能によって凌駕されないよう、倫理、好奇心、決意といった「古い」価値観を大切にしていく重要性を強調している。 「私の新しい作品『THB』の第1巻が今年の秋に発売される」とポープは述べる。「これは自分のキャリアを再評価する重要な一手だ。また、今夏には別の新プロジェクトの発表も予定している」と彼は楽しみに語っている。 これらの一連の動きは、ポープがアナログ芸術家の精神を受け継ぎつつ、新たな時代に向けて歩み続けていることを示している。彼は人類の独創性がテクノロジーに打ち勝つことを信じており、「AIに敗れてはならない」と力強く主張している。