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エロン・マスク、アップルに対しChatGPTのアプリストア順位操作を批判し、大規模な訴訟を警告

5日前

エロン・マスク氏が、アップルに対し新たな反発を示した。2025年8月12日、マスク氏は自身が率いる人工知能(AI)研究企業「xAI」のチャットボット「Grok」がアップルのApp Storeで不公平な扱いを受けていると主張し、同社のポリシーが独占的な市場支配を助長しているとして、反トラスト法違反の疑いを明言した。マスク氏はX(旧ツイッター)上で「Appleは、OpenAI以外のAI企業がApp Storeで1位になることを不可能にしている。これははっきりとした反トラスト違反だ」と投稿。さらに「xAIは即座に法的措置を取る」と宣言し、法的対応を予告した。 この発言の背景には、アップルが2024年6月にOpenAIと提携したことがあり、その結果、ChatGPTがiPhoneやMacのSiriやシステム全体に統合された。この提携により、ChatGPTはApp Storeの「必須アプリ」リストに唯一選ばれ、米国で無料アプリのランキング1位を維持している。一方、Grokは同ランキングで5位にとどまり、主要な編集者選定リストには一切掲載されていない。マスク氏はこれに疑問を呈し、「なぜChatGPTだけがすべての編集リストに載っているのか?政治的偏見があるのか?」と疑問を呈した。 マスク氏はかつてOpenAIの共同創設者だったが、2018年に意見の相違から離脱。以来、同社を「政治的に偏った企業」と批判し続けてきた。その一方で、自らのAI企業xAIが2023年末にGrokをリリースし、X(旧Twitter)に統合することで、従来のAIチャットボットとは異なる「エッジの効いた」アプローチを打ち出している。しかし、App Storeでの露出不足は、その成長を阻む重大な障壁と見なされている。 この発言は、マスク氏がアップルに対して繰り返してきた戦略——「大々的な公的批判で圧力をかける」——の一例である。過去にEpic Gamesとの訴訟や、他の企業との対立でも同様のスタイルを取ってきた。今回の訴えは、アップルがApp Storeの編集権を独占的に行使することで、競争を歪めているという、既存の反トラスト論争をAI時代に拡張したものだ。アップルはこれまで、開発者や規制当局から「App Storeの支配的立場」を巡って長年にわたり批判を受けてきたが、今回、AI分野における市場の公平性が新たな焦点となっている。 業界関係者からは、マスク氏の主張が「法的根拠よりも、メディア戦略としての意図が強い」との見方が出ている。一方で、AIアプリの登場がApp Storeの運営基準に新たな課題を突きつけていることは否定できない。Appleはこの件について、当面のところコメントを控えている。マスク氏の「即座の法的措置」が実際に訴訟に発展するかは未知数だが、AIとプラットフォームの競争が、今後、規制の焦点となる可能性は高い。

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