北京で開催された世界人型ロボットゲーム、実力はまだ人間のサポートに依存
8日前
2025年8月14日から17日まで北京で開催された「世界ヒューマノイドロボットゲーム」では、500体以上のヒューマノイドロボットが280チーム、16か国から参加し、サッカー、ランニング、格闘などの競技で実力を競った。会場は2022年北京オリンピックで使用された1万2000人収容のスピードスケート場。ロボットたちが走り、パンチを放つ姿に観客から歓声が上がったが、一方で転倒や故障、倒壊が相次ぎ、多くの場面で技術者が即座に介入する姿が目立った。 競技中、ロボットはしばしばバランスを失い、倒れることも。あるロボットは2人の技術者に支えられ、観客の前で「負傷選手」のように運ばれた。バッテリー交換やアームの調整、動作の微調整など、人間の手が欠かせない状況が続いた。こうした様子から、AIを搭載したロボットの自律性には依然として限界があることが明らかになった。 一方で、ロボットの動きには驚くべき完成度も見られ、ゴールや勝利の瞬間には会場が沸き、観客の関心は本物のアスリートと変わらないほど高かった。特にダンスイベントでは観客がロボットの手を触れ、一体感が生まれる場面もあった。 この大会は、中国がAIを活用したヒューマノイドロボットの開発を強化している背景にある。今後、工場や物流現場などでの実用化が進む見通し。しかし、現段階では完全な自律は不可能で、技術者の監視とサポートが不可欠であることが改めて示された。人間の手がなければ、ロボットの「人間らしさ」も、その「力」も発揮できない――この大会は、技術の進化と人間の役割の重要性の両面を浮き彫りにした。