Anthropic、Claudeの効果的な活用法を公開：「天才的だが記憶のない新人社員」のように扱おう

AIスタートアップのAnthropicが、同社のチャットボット「Claude」の活用方法について新ガイドを発表しました。これにより、効果的なプロンプト技術を有するスキルが企業にとって重要であることを強調しています。しかし、チャットボットの操作は単純ではありません。Anthropicの「Prompt Engineering Overview」では、ユーザーが具体的な要件や例を提示し、Claudeに対して明確な指示を行う方法などを提案しています。 まずAnthropicが強調しているのは、Claudeを「天才だが新たな従業員（記憶喪失の状態）」として扱うことです。Claudeはユーザーの規範やスタイル、ワークフローを理解していないため、細部まで具体的に要求する必要があります。また、質問の意図や目的を明示し、最終的な目標や利用者を特定することで、より適切な回答を得られます。 次に重要となるのは、例を多用すること。Anthropicによると、「複数の良い例を提供することで、Claudeが出力する内容の精度や一貫性、品質を大幅に向上させることができます」。この手法はマルチショットプロンプティングと呼ばれ、誤解を防ぎつつ統一された構造やスタイルでの応答を促します。 もう一つのキーはchain of thought (CoT) プロンプティングです。「Claudeに思考の余地を与えることで、その性能が大幅に改善される」とAnthropicは述べています。ユーザーは問題をステップごとに分解し、それぞれに対して考えられるように指示することで、より詳細かつ的確なRecommendationを得られます。 さらに、ロールプレイを活用することも有効だとしています。具体的には、Claudeに「ニュース編集者」や「財務プランナー」などの役割を割り当てることで、専門的な観点からのレスポンスを得られる可能性があります。特に法律分析や財務モデリングのような複雑なシナリオにおいては、「 Clauesのパフォーマンスが大幅に向上する」といます。 最後に、チャットボットが誤った情報を提供する「幻覚現象」を減らす方法として、Anthropicはいくつかのテクニックを推奨しています。具体的には、Claudeが「わかりません」という答えを持つことを許可したり、情報源を示すよう求めたりする方法を提案しています。ユーザーはClaudeが反論できない場合は、その主張を撤回するよう指示することで誤報を防止できます。 これら Anthropicの提案は、ユーザーがClaudeや他のチャットボットを効果的に活用するための重要な指針となります。AnthropicのCEO、Dario Amodei氏は、同ガイドによってユーザーがチャットボットとのコミュニケーションを通じて生産性を向上させることができると期待しています。「我々は、Claudeが幅広い用途で利用されるべく設計された汎用型AIモデルであり、適切なプロンプトの活用により、ユーザーのニーズに合わせた最良の結果を提供できることを信じています」と彼は述べています。同社は、AIの安全性や倫理観にも注力しており、ユーザーが依存することなくチャットボットを補完的に使用できるような環境づくりを目指しています。