OpenAIが検索エンジン公開機能を削除 プライバシー漏洩の懸念から
7日前
OpenAIは、ユーザーのプライバシーが危険にさらされる可能性があるとして、ChatGPTの「会話の検索エンジン公開機能」を迅速に削除した。この機能は、ユーザーが自分のチャット内容をGoogleなどの検索エンジンで検索可能にするオプトイン機能だった。同社の最高情報セキュリティ責任者であるデイン・スタッキー氏は、10月17日(木)にSNSで発表し、「この機能は一時的な実験であり、ユーザーが意図しない情報を公開するリスクが高すぎた」と説明した。 同機能は、ユーザーが「このチャットを検索可能にする」にチェックを入れることで、会話が検索インデックスに登録され、Web検索結果に表示される仕組みだった。内容は匿名化されていたが、個人が抱える悩みや、ハラスメント体験、心理的な相談など、非常に個人的な内容が含まれるケースもあった。ニュースライターのルイザ・ジャロフスキー氏がX(旧Twitter)で指摘したように、実際に一部の会話が公開され、プライバシーの懸念が広がった。 スタッキー氏は、「ユーザーが細心の注意を払わず、チェックボックスを誤って選択するリスクが非常に高い」とし、意図しない情報漏えいの可能性を理由に機能の撤回を決定したと述べた。同社は、すでにインデックス化されたコンテンツを関連する検索エンジンから削除する作業を進め、10月18日朝までに全ユーザーに適用される予定だ。 この出来事は、AIチャットボットの利便性とプライバシー保護のバランスがいかに難しいかを浮き彫りにした。OpenAIは、技術の進化とユーザー保護の両立を重視しており、今回の対応はその姿勢を示す一例となった。