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Apple、iPhone AirにAI最適化A19 Proを搭載し、全核心チップを自社開発へ

10日前

Appleが最新のiPhone Airに搭載したA19 Proチップは、人工知能(AI)処理を最優先する新たなアーキテクチャを採用し、AI性能を大幅に強化した。このチップにはGPUの各コアにニューラルアクセラレータが組み込まれ、機械学習(ML)演算能力が飛躍的に向上。Appleはこれにより、すべての核心チップを自社設計で統合し、これまで第三者に依存していた無線(N1)やモデム(C1X)も自社開発に移行。N1はWi-Fiによる位置情報の取得を効率化し、GPS起動を減らしてバッテリー消費を抑える。C1Xは前世代比で最大2倍の速度、30%の省電力化を実現。現時点ではQualcomm製モジュールも一部に使用されるが、Appleは今後数年内に完全に自社製に置き換える見通し。 Appleのプラットフォームアーキテクチャ担当バイスプレジデント、Tim Millet氏は「自社でチップを設計することで、外部部品では実現できない高度な統合と制御が可能になる」と強調。特に、プライバシー保護の観点からも、データを端末内ですべて処理する「オンデバイスAI」の重要性を挙げた。A19 Proは、前カメラが顔を検出し自動で横向き撮影を行うといったAI機能を支える。これはGPUとニューラルアクセラレータの統合により、MacBook ProクラスのML処理能力をiPhoneに実現した証だ。 Appleは2024年からiPhoneに搭載されるチップのすべてを自社設計で統合。今後はMacやiPadにも同様のチップが展開される見込み。米国での生産も加速しており、TSMCのアリゾナ工場でA19 Proが製造されている。米政府の半導体関税政策を背景に、Appleは今後4年間で米国内に6000億ドルを投資する計画を発表。TSMCとの協業を重視しつつ、Intelの14nm以降の技術にも注目しているが、実用化にはまだ時間がかかるとみられる。 Appleの戦略は、AI時代における自社技術の完全掌握と、米国内のサプライチェーン強化を両立させたもの。今後、すべてのApple製品に自社チップが統合され、AI性能と自律性がさらに進化する可能性が高まっている。

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