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Cloudflareが世界初のMoQ CDNを提供――ライブ配信の次世代基盤が始動

4日前

Cloudflareが、メディア向けQUIC(MoQ)CDNの正式サービスを発表した。これは世界初のMoQ対応CDNとして、ライブ配信の未来を変える可能性を秘める。MoQは、従来のWebRTC、HLS/DASH、RTMP/SRTを置き換えると期待される新規格で、低遅延かつ高効率なストリーミングを実現する。Cloudflareは、自社の巨大なアナスカットネットワーク上で「relay.cloudflare.mediaoverquic.com」を公開し、開発者が無料でテスト可能にしている。 現在は技術的プレビュー版であり、draft-07の一部のみ対応。ただし、MikeのフォークやMetaのmoxygen、Lorenzoのimquicなど、複数のクライアントが互換性を確認済み。Webブラウザ上で、<hang-publish>と<hang-watch>というWebコンポーネントを使って、簡単なライブ配信と視聴が可能。特に注目すべきは、ブラウザ内でSilero-VAD、Whisper、transformers.js、ONNX Runtime Web、WebGPUを組み合わせ、AIによるリアルタイム字幕生成を実現している点。これはMoQ経由で送信されており、技術的にも非常に前衛的。 ただし、現状では機能制限があり、Cloudflareのフォークコードにバグが含まれる可能性も。また、Safariなどの環境ではWebSocketフォールバックが必要。開発者は自前でmoq-relayを構築することも可能。Terraformモジュールも提供されており、GCP上に3ノードの「グローバルCDN」を構築できる。さらにRustライブラリも提供され、ffmpegやgstreamerと連携して高度なメディア処理が可能。 発表者の@kixelated氏は、MoQの標準化プロセスに長年の疑問を抱いており、RFC化まで数年かかる中で「実際の運用データを得る」ことが重要だと主張。Cloudflareの行動は「RFCを待たずに実装を始める」勇気ある一歩と評価。彼はGoogleやAkamaiら大手にも、自社サーバーでMoQを試すよう呼びかけている。 今後の展望として、WebRTCの代替としてのMoQの実用化、AIとの統合、P2P配信(Iroh経由)の検証などが予定されている。開発コミュニティはDiscordで活発に交流中。MoQはまだ初期段階だが、Cloudflareの発表により、ライブメディアの未来が急速に動き始めている。

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