アリババクラウド創業者が語る「真のイノベーションは高給取りのエンジニアでない」

アリババクラウドの創設者である王堅氏は、AI分野での真のイノベーションには高給のエンジニアを採用する必要はないと語った。ブルームバーグとのインタビューで、王氏は「最高のエンジニアを雇う必要はない。重要なのは、未知のものを構築できる適切な人物を見つけることだ」と語った。彼は、シリコンバレーのやり方だけが成功の公式ではないと指摘し、新規ビジネスや真のイノベーションには、既存の技術にとらわれない視点が重要だと強調した。 王氏は、米国のテック大手がAI人材を高額で競って採用する傾向について、その方法は「典型的なやり方」だが、必ずしも最善ではないと述べた。人気のある人材を狙うのは、競争が過熱するだけで、長期的な視点では効果が薄いと説明した。 アリババは、AIの分野で中国の企業間競争が「非常に健全」だと評価している。王氏は、中国のAI企業間の競争が過激ではなく、各社がそれぞれの強みを活かしながら技術を急速に進化させていると語った。例えば、テンセントやバイドゥはオープンソースのAIモデルを積極的に採用し、自社のエコシステムに統合している。中国のAI分野では、米国との格差が縮小しているとの見解も示した。 米国のAI企業、オープンAIやアントロピックも中国の研究者を採用しているが、中国の研究者は世界トップクラスの実力を持つとされる。また、米中のAIチップ競争でも、両国は拮抗していると語られている。