AIでデザインを生成、3Dプリンタで実現する「Vibe Modeling」のワークフローを構築
バイブモデリング:テキストからパラメトリック3Dプリントへ 私は「バイブモデリング」というワークフローを作成しました。AIに部品のアイデアを伝え、必要に応じて調整してから、直接印刷可能な3Dファイルをダウンロードできるというものです。以下では、このプロセスを解説し、実際のプリント例を紹介します。この技術は、初心者には興奮をもたらしますが、経験豊富なCADユーザーにとってまだ補助的なツールに過ぎません。 何が「バイブモデリング」なのか? バイブモデリングとは、CAD版のバイブコーディングとも言えます。あなたは設計のアイデア(「すっきりとしたボウル」「iPhoneスタンド」など)を提案し、AIが数学的な部分を処理します。その後、Botとの会話を続けてデザインをイテレーションしたり、自動生成されたスライダーで寸法を微調整したりできます。これにより、クリエイティブな流れを保ちつつ、数時間かけてFusion 360で作業する必要がありません。 Chat To STL アプリケーション 私はこのコンセプトを示す基本的なStreamlitアプリケーションを作成しました。描述文を入力すると、o4-miniがOpenSCAD(無料のスクリプトベースのCAD言語)のコードを生成します。生成されるモデルの各行は直接幾何学的形状に変換されます。スクリプトは折りたたみ可能なパネルで確認できますし、会話隣にあるインタラクティブな3Dビューポートで即座に具現化します。デザインに満足したら、ワンクリックでSTLや3MF形式の印刷可能なファイルを取得できます。 フルリポジトリ: GitHub: github.com/nchourrout/chat-to-stl また、Hugging Face上でオンラインで試せるようになりました。 例1:マルチ用途ボウル プロンプト: 「ボトムに“good day”が彫刻されたマルチ用途ボウル」 初回実行で完璧なボウルが生成されました。スライダーの調整や再度のプロンプト入力は不要でした。STLファイルをスライスし、Bambu Lab A1 3Dプリンターに送り、45分後には完成品が手元にありました。 例2:スイスチーズ風ドアストップ 初期プロンプト: 「穴のあるウェッジ型のドアストップ」 初めてのレンダリングでウェッジ形状はうまくいきましたが、穴が集中していました。再度プロンプトを入力して、体全体に無作為サイズの球体を差し引くように指示しました。これで真正のエメンタールチーズのような穴が空き、ドアストップとしての機能も確保できました。TPUで印刷することで接着性と柔軟性が向上します。 例3:IKEA机のバックパックフック 初期プロンプト: 「卓上に固定できるS字型バックパックフック」 このプロジェクトは約10回のイテレーションが必要でした。S字型のプロフィールを指定し、輪郭を押し出し、曲線部分でのR哪怕是を細かく指示しました。最終的にデザインが完成し、AIが寸法調整用のスライダーを表示しました。僅かな調整後、フックはIKEAのLinnmonテーブルトップに正確に合わせることができました。PLA(またはPETG)で印刷し、現在はフル装荷のバックパックをしっかり支えています。 ボーナス例:星型ボックス このビデオでは、蓋つきの星型ボックスのイテレーション過程を説明しています。 既存の3D生成AIモデルとの違い OpenAIのShap-E、GoogleのDreamFusion、NVIDIAのGET3Dなどのプロジェクトは、テキストから3Dメッシュを生成できますが、それらは主に画面表示用で、製造向けには適していないです。これらは簡単にカスタマイズできない3Dピクセル(ヴォクセル)クラウドを出力します。一方、バイブモデリングではAIがパラメトリックなOpenSCADソリッドを書き出すため、簡単に編集でき、実際の3Dプリントに適した高品質なモデルを生成できます。 不足点 経験豊富なCADユーザーにとっては、迅速なスケッチをFusion 360などで描く方法が依然として速い場合があります。しかし、初心者にはこのアプローチが設計の入り口を格段にシンプルにし、クリエイティブな自由度を高めるでしょう。 誰が使うべきか? 3Dモデリングを学びたい初心者や時間を節約したい一般ユーザーには、非常に有用なツールとなります。既存のAIモデルよりも柔軟性があり、実用的な3Dプリントを可能にする点が魅力です。