複数のテクノロジー企業が2025〜2026年度の第2四半期決算を発表。Figma、Asana、Braze、UiPath、Ciena、Guidewireが業績を公表し、各社の財務状況と事業動向が注目された。
2025年9月、テクノロジー企業の財務報告と戦略的進展が相次いで公表された。Figmaは第二四半期(2025年6月30日終了)の業績を発表し、記録的な売上高を達成した。同社の共同創業者兼CEOであるダイアン・フィールド氏は「デザインの重要性がさらに高まる中、私たちのプラットフォームが次世代のデジタル体験を形作る役割を果たしている」と強調。売上高は2億4,964万ドル(前年同期比35%増)で、129%のネットドラー保留率(NDR)を達成。これは顧客が継続的にプラットフォームに投資している証拠であり、AIを活用した新製品4品目のリリースが成長を牽引した。同社はAI搭載の「Figma AI Studio」や「Smart Workflows」の展開を進め、設計プロセスの自動化と協働性を強化。さらに、早期ロックアップ解除条件(IPO価格比25%上昇で5営業日以上)を満たしたため、2025年9月5日から一部の従業員の株式が公開市場で売却可能となった。 一方、ネットワーキング企業のCienaは、2025年8月2日終了の第3四半期において、売上高12億1,940万ドル(前年同四半期比29.4%増)を記録。AIインフラの需要増に伴い、光学ネットワーキング分野の成長が顕著。GAAP純利益は5,030万ドル(前年同四半期比254%増)、非GAAP純利益は9,620万ドル。調整後営業利益率は10.7%と、前年比3.2ポイント改善。同社は、AIを支える高速接続インフラの需要が2026年度まで継続する見通しを示し、経営の効率化を進めると述べた。 また、ワークマネジメントプラットフォームAsanaは、2025年7月31日終了の第2四半期(2026財年)で売上高1億9,690万ドル(前年同四半期比10%増)を達成。AI機能を統合した「Asana Work Graph」と「AI Studio」の導入により、非GAAP営業利益率が25%ポイント改善し、7%の営業利益を達成。ネットドラー保留率は96%で、コア顧客(年間5,000ドル以上支出)の数は2万5,006件(前年比9%増)に。さらに、AWS MarketplaceでのAIエージェントストアとの連携や、マスターカードとの提携による小規模企業向け割引導入など、AI活用の拡大を加速。同社は今後、AIの導入を支援する「Teammates」のリリースを予定しており、長期的な収益性と成長の基盤を強化している。 これらの企業は、AI技術の実用化を軸に、プラットフォームの拡張と収益化を進めている。Figmaはデザインのデジタル化を、CienaはネットワークインフラのAI化を、Asanaは業務プロセスのAI化をそれぞれ推進。共通するテーマは、AIを「業務の流れに組み込む」実用的なソリューションの提供であり、企業の生産性向上と収益構造の持続可能性を両立させる戦略が明確化されている。