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新人会計士が3年以内にAIを管理する時代に――PwCが人材育成を大刷新

2ヶ月前

PwCが、入社3年以内の新人会計士がAIの監督役を担うようになると発表した。同社のAIアサurance責任者であるジェン・コサール氏は、Business Insiderとのインタビューで、「新入社員が即座にレビューや監督の役割を果たすようになる」と述べた。AIがデータ収集や処理といった反復的な監査作業を担うことで、新人は従来の実務作業から解放され、より高度な価値創出に向けた業務に集中できるようになった。コサール氏は、「3年後には1年目の人たちが、かつての4年目レベルの役割を果たしているように感じられるだろう」と語った。 この変化に伴い、PwCは新人教育の在り方を根本から見直している。従来の「業務の実行」中心の教育から、「審査の基本」「批判的思考」「プロフェッショナルな懐疑心」などの基礎力に重点を置いたトレーニングへとシフトしている。これにより、これまで中級段階で学ばれていたソフトスキルが、入社初期から身につくようになっている。 同社は2024年6月に「AIアサurance(AIの信頼性保証)」という新サービスを開始。クライアントのAI活用が適切かつ倫理的に行われているかを検証する仕組みだ。AIの導入は、会計・コンサルティング業界の伝統的なビジネスモデルにも影響を与えている。時間単価の請求から、成果に基づく料金設定への転換が進み、顧客がAIツールで即座に情報を得られる状況では、高額なコンサルティングの価値を問われるようになっている。 コサール氏は、AIが人間の思考能力を低下させるとの懸念もあるが、「むしろより迅速に成長する専門家が生まれ、高付加価値な洞察に集中できるようになる」と楽観的に見ている。今後は、パートナーとマネージャーもAIを活用した新しいクライアント要請に対応する必要があり、業務の本質が「能力の加速」から「価値の提供」へと変化している。

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