メタ、ティーンのAI利用に向けた保護機能を強化へ 批判を受けたロマンチックなチャットボット対応
Metaは、InstagramのAIチャットボットに関する新たな親権制限機能を発表しました。同社のインスタグラム責任者であるアダム・モッサリ氏とメタAI最高責任者であるアレクサンドル・ワン氏は、金曜日に公開したブログ記事で、保護者が未成年の子どもがAIチャットボットとプライベートチャットを行うことを完全に停止させたり、好ましくないキャラクターのアクセスをブロックできるようにすると明らかにしました。この変更は、先月までに問題視された「好意的で性的なトーン」を持つAIチャットボットの行動に対する広範な批判を受けてのもので、特に若年層のユーザーに対する安全対策強化の一環です。 ただし、メタのAIアシスタント(Meta AI)はこの制限の対象外となります。同社は、教育的価値や有用な情報提供の観点から、年齢に応じた保護措置を施した上で、依然として利用可能にすると説明しています。また、保護者には子どもがAIとどのようにやり取りしているかを把握するための「インサイト」機能も提供される予定です。具体的な内容は明示されていませんが、主に「 teenagersがAIキャラクターやMeta AIと話しているテーマの高レベルな要約」が想定されており、保護者が子どもとAI利用について真剣な対話を促すきっかけとなることを目的としています。 この機能は「来年初頭」に、英語圏の米国、英国、カナダ、オーストラリアに限定してInstagram上で導入される予定です。他の言語やプラットフォーム(FacebookやWhatsAppなど)への拡大は後日検討されるとしており、同社は「今後さらに情報をお伝えする」と述べています。現時点では、保護者がこれらの制御を活用できるのは限定的ですが、今後の展開に注目が集まっています。 この発表は、メタがAIチャットボットを展開して以来、初めての主要な安全アップデートの一つです。先週には、13〜17歳のInstagramアカウントが見られるコンテンツをPG-13相当のレベルに制限する変更も実施されており、青少年向けの環境整備を積極的に進めている姿勢がうかがえます。同社は、こうした措置を通じて、AIの利点を享受しつつも、リスクを最小限に抑えるバランスを実現したいとしています。専門家からは、「親の関与を促す設計は前向き」との評価も出ていますが、実際の「インサイト」の内容や効果の検証が今後の鍵となるでしょう。