AI先駆者トム・ブラウンが語る、自ら学びネットワーキングで道を開いた5つのキャリアノウハウ

Anthropicの共同創業者であるトム・ブラウン氏は、かつて線形代数でB-を取った学生だったが、ネットワーキングと自らの学びを駆使してAI分野に進出し、OpenAIの最初の20人メンバーの一人となった。彼は、AI研究に本格的に取り組む前、YC（Y Combinator）が支援する複数のスタートアップで経験を積んだ。中でも「Grouper」というグループデートを仲介するアプリで、後にOpenAIの共同創業者であるグレッグ・ブロクマンと知り合い、そのつながりが彼のキャリアの転機となった。 ブラウン氏は、AI分野に進む前に6か月間、自ら学びを深めた。その際、彼は「Linear Algebra Done Right」（シェルダン・アクサー著）やGoogle DeepMindのe-book「How to Scale Your Model」、Courseraの講座、Kaggleの課題、そしてYCのアラムクレジットを使ってGPUを購入するなど、実践的な学びを重ねた。彼は「自分に何ができるか」を明確にし、ブロクマンに「お掃除もする」とまで言いながら、毎月連絡を取って働きたいと表明。最終的にOpenAIでゲーム開発プロジェクトに参加し、9か月後に機械学習の業務に携わることになった。 その後、2021年、ダリオ・アモデイ、ダニエラ・アモデイらと共にAnthropicを共同創業。彼のキャリアに通底する教訓は、以下の5点に集約される。第一に、自分がなりたい人間の周りにいること。第二に、メンターと学びの仲間を持つこと。第三に、自分に何ができるかを明確にし、実際の仕事に貢献したいと伝えること。第四に、失敗を恐れず、まず「やってみる」ことが最も効果的だという姿勢。第五に、生活費を抑えてリスクを取る余裕を持つこと。 彼は現在のAI市場では、かつてのアプローチが通用しないとしながらも、若い人には「友人が驚くような、理想の自分なら誇りに思うような挑戦」に挑むことを勧めている。自らの経験から導き出された教訓は、才能よりも行動と継続の重要性を強調しており、AI分野への入り口を模索する人々にとって、実践的な指針となっている。