マスクとオルトマン、再びAI対決 App Storeランキングとアルゴリズム操作を巡り激論
エロン・マスクとサム・アルバートンの間で、再び対立が勃発した。2人のテック界の巨頭は、2015年に共同で設立した非営利AI研究機関・OpenAIの元共同創業者であり、以来長年にわたって対立を繰り広げてきた。2024年6月下旬、マスクがX(旧Twitter)上で「AppleがApp StoreのランキングでOpenAIのChatGPTに優遇措置を講じており、これは明白な独占禁止法違反だ」と発言。さらに「xAIは直ちに法的措置を取る」と警告した。これに対し、OpenAICEOのアルバートンは「マスク自身がXのアルゴリズムを操作し、自身や関連企業を優遇し、競合を傷つけてきたという疑惑が広く指摘されている」と反論。2023年の『Platformer』記事を引用し、「彼が自らのツイートを優先表示する仕組みを構築していた」と指摘した。さらに「誰かがこの問題について反証調査を行ってほしい。多くの人がその真相を知りたい」と述べた。 7時間後、マスクはフォロワー数の差を強調し、「あなたの虚偽の投稿が300万回の再生を獲得したが、私の投稿の多くはそれより少ない。にもかかわらず、私のフォロワー数はあなたの50倍だ」と反撃。アルバートンは翌日、マスクに「Xのアルゴリズムを競合を傷つける形で操作したことがないことを証明する宣誓供述書( affidavit)を提出してほしい」と要求。その上で「もしそうであれば、謝罪する」と述べた。さらに「あなたの投稿が少ないのはスキル不足か、Botによる操作の可能性がある」とも皮肉った。 マスクはその後、「詐欺師のアルバートンは、呼吸するのと同じように嘘をつく」と反論し、ユーザー投稿を再共有して攻撃を強化した。このやり取りは、2人が2018年にOpenAIの取締役から離脱して以来続く長期的対立の新たな展開だ。2024年2月、マスクはOpenAIとマイクロソフトの提携を「非営利使命の裏切り」として提訴。6月に撤回したが、8月に再提起。一方、アルバートンはマスクの批判を「あまり気にしない」と明言。6月20日にはCNBCの番組で「マスクのことはあまり考えない」と語り、マスクの反応をさらに刺激した。この対立は、AIの未来を巡る戦略的対立と、個人的な信頼関係の崩壊が交錯する、現代テック界の象徴的な出来事となっている。