AI無料提供の裏に隠れた真の狙いとは?
グーグルがインドの学生向けに19,500ルピー相当のGemini AI Proを無料で提供し、Airtelが360万人のユーザーにPerplexity Proを年間17,000ルピー分を無料で配布している。これらの企業がなぜ高価なAIサービスを無料で提供しているのか、その理由は単なる善意ではなく、戦略的な意図に裏打ちされている。 これらの企業は、AIモデルの販売を目指しているのではなく、自社のプラットフォームを他の企業が依存する基盤にすることを目指している。マイクロソフトのCEOは、デスクトップからモバイルへの移行と同様に、AIの時代でもプラットフォームを支配する企業が最も利益を上げると指摘している。 AIモデルは今後、商品としての価値が下がる可能性がある。優れたモデルは多数存在し、似たような性能を持つため、競争はプラットフォームのユーザー数に集中する。ユーザーが多いほどAIは学習し、さらに使いやすくなり、ユーザー数が増えるという「雪だるま効果」が生まれる。 また、無料でAIサービスを提供する理由は、技術的なコスト削減もある。AIの実行コストは大幅に下がり、大規模な運用でも効率化されている。さらに、企業は無料サービスから直接収益を上げるのではなく、その後の企業向けビジネスに目を向けており、個人ユーザーを増やすことで企業顧客の獲得につなげる戦略だ。 無料の心理的効果も大きい。わずかな金額でも躊躇するが、無料なら使い続ける傾向がある。ユーザーが習慣化すれば、その後の切り替えは難しくなる。インドの学生がGemini AIを日常的に使うようになれば、将来の職場でも同社のプラットフォームを推奨する可能性が高い。 将来的にはAIがすべてのアプリやデバイスに組み込まれる時代が来る。その基盤となるプラットフォームを支配する企業が、大きな力を持つことになる。こうした企業は、今からユーザーに自社のAIに慣れさせることで、その未来の主導権を確保しようとしている。 結論として、これらの企業は無料のAIサービスを通じて、プラットフォームの支配力を強化し、将来的なビジネスの基盤を築こうとしている。これは、単なるマーケティングではなく、戦略的な投資である。