甲骨文、GPT-5をクラウド・SaaSに深度統合で企業業務を智能化
甲骨文(Oracle)は、OpenAIの最新AIモデルGPT-5を自社クラウドサービスおよびSaaS製品に深度統合すると発表した。8月18日の発表会で明らかにされたこの取り組みにより、同社のデータベース、Fusion Cloud、NetSuiteなどの主要プラットフォームにGPT-5が標準搭載され、人事、財務、サプライチェーンなど業務現場での生成型AI活用が本格化する。ユーザーは、求人票の自動作成や顧客対応の要約といったタスクを、従来のツールに統合された形で迅速に実行できる。 GPT-5は、独立テストでSWE-benchプログラミングベンチマークで74.9%の高得点を記録。コード生成の精度が向上し、幻覚(誤った情報生成)の発生率は前モデル比で65%低減。また、最大51万トークンの長文処理に対応し、「思考モード」を搭載することで、複雑な論理推論にも対応可能となった。甲骨文は、GPT-5を外部ツールではなく、自社プラットフォーム内に組み込むことで、企業がセキュリティや統合の負担なくAIを活用できると強調している。 一方、業界分析では、GPT-5の導入にあたってはインフラ整備やコスト管理、データガバナンスの整備が急務と指摘されている。特に、GPT-5の単価は入力トークン100万単位で1.25ドル、出力で5ドルと高額であり、企業は使用量のモニタリングと、検索増強生成(RAG)などの効率的アーキテクチャの導入が求められる。 他社との比較では、マイクロソフトがAzureとMicrosoft 365にOpenAIを統合、アマゾンはBedrockを通じて複数モデルを提供、グーグルはGeminiをWorkspaceとCloudに展開している。甲骨文の強みは、既存のビジネスアプリケーションにGPT-5を深く埋め込む点にある。しかし、信頼性と性能面で競合と同等の評価を得るには、継続的な改善と実績の提示が不可欠だ。 CIOやIT意思決定者は、生成型AIを単なる付加機能ではなく、企業ソフトウェアの標準機能として捉える必要がある。これにより生産性の向上が期待される一方、AIの透明性、コンプライアンス、予算管理の体制整備が新たな課題となる。