Soraが米国でiOS版リリース後1週間で約ChatGPT初公開並みのダウンロード数を記録した。
OpenAIが開発した動画生成アプリ「Sora」が、リリース後初週に米国App Storeでダウンロード数62万7000件を記録し、ChatGPTの初週の60万6000件を上回った。このデータはアプリインテリジェンス企業Appfiguresが提供したもので、Soraがリリースから7日間でiOS版でトップに躍り出たことを裏付けている。ただし、比較には注意が必要だ。ChatGPTは初週に米国のみでの提供だったのに対し、Soraは米国とカナダの両方でリリースされた。カナダの貢献は約4万5000件と推定され、米国単独の数字に換算すると、Soraの初週ダウンロード数はChatGPTの約96%に相当する。それでも、Soraの初週の成果は顕著である。 特に注目すべきは、Soraがリリース当初「招待制」だった点だ。一方、ChatGPTは当初から広く公開されていたため、Soraの高ダウンロード数は、限定的なアクセスにもかかわらず消費者の関心の高さを示している。Soraはリリース初日(2025年9月30日)に5万6000件のダウンロードを記録し、米国App Storeの「トップ3」にランクイン。翌週の10月3日にはトップ1に上昇。この勢いは、AnthropicのClaudeやMicrosoftのCopilot、xAIのGrokといった主要AIアプリの初週の動向を上回り、AIアプリ市場における新たな注目株としての地位を確立した。 Soraの成功は、その技術力にも根ざしている。新バージョン「Sora 2」モデルを搭載し、高品質で現実味のある動画生成が可能。特にリアルな「ディープフェイク」(AI生成映像)の作成が話題となり、SNS上では数多くのユーザーによる創作動画が拡散されている。しかし、その技術の乱用も懸念されている。俳優ロビン・ウィリアムズの娘であるゼルダ・ウィリアムズ氏が、亡き父親のAI生成画像を送られることを訴え、倫理的な問題への警鐘を鳴らした。この事例は、AI生成コンテンツの社会的影響を改めて浮き彫りにしている。 Appfiguresのデータによると、Soraのダウンロード数は初日をピークに、10月1日に10万7800件の記録を達成。以降は10月4日の9万8500件から10月6日の8万4400件の間で推移し、依然として高い安定性を維持している。これは、招待制という制限があるにもかかわらず、継続的な関心が集まっている証拠である。Soraの成功は、AI技術が一般消費者に直接届くスピードと影響力を示しており、今後のAIアプリ市場の動向に大きな影響を与える可能性がある。