Oracle、Google Cloudと提携でGeminiモデルをOCIで提供へ
OracleとGoogle Cloudは、GoogleのGeminiモデルをOracle Cloud Infrastructure(OCI)の生成AIサービスを通じて提供する包括的提携を発表した。この提携により、OracleはGemini 2.5をはじめとするGoogleの複数のモデルを、テキスト、画像、動画、音声、音楽生成、医療分野向けの専用モデル「MedLM」など、多様な用途に対応した形で提供する。顧客はこれらのモデルを活用し、コーディング支援、業務自動化、研究開発など、独自のAIエージェントの構築が可能になる。 モデルは実行環境としてGoogleのサーバーを引き続き使用するが、Oracleのクラウドプラットフォームからアクセス可能。支払いはOracleのユニバーサルクレジット制度を経由して行われる。この提携により、Oracleは自社開発のモデルに加え、Googleの高品質なGeminiモデルを包括的に提供できるようになり、企業顧客にとって選択肢の幅が広がる。一方、Googleも企業市場への進出を強化し、Geminiモデルの利用範囲を拡大できる。 OCIのクラウド担当最高責任者、クレイ・マゴイヤーク氏は、「Oracleは企業向けにオープンモデルとプロプライエタリモデルを含む、厳選されたモデル選択肢を提供することに意図的である」と強調。この戦略は、マイクロソフトがOpenAI、AWSがAnthropicと独占的提携を結ぶ中で、Oracleが複数のベンダーと協業する「多モデル戦略」の優位性を示している。 この発表は、Oracleが2か月前にxAIのGrokモデルをOCIに導入したのと並行して行われており、企業向けAIインフラの競争が激化する中、柔軟なモデル選択肢を提供する姿勢が、長期的な市場競争力の鍵となる可能性を示している。