DDNのAI400X3がMLPerfで記録的性能密度を達成、AIインフラの新基準を提示
DDNは、最新のAIストレージ装置「AI400X3」を用いて、AIインフラの未来を実現する動きを進めている。同社は、MLPerf Storage v2.0ベンチマークで、単一ノードおよびマルチノードの両カテゴリで記録的な性能を達成し、AI基盤のパフォーマンス密度の新基準を打ち立てた。AI400X3は、DDN独自のEXAScaler並列ファイルシステムを搭載し、2Uというコンパクトな筐体で数百台のH100 GPUを効率的にサポート。これにより、AIモデルの学習プロセスにおいてGPUが空回りすることなく、常にデータが供給され、訓練効率が飛躍的に向上する。 CTOのSven Oehme氏は「AIのスケーリングには単なる処理力ではなく、精密に設計されたインフラが必要だ」と強調。AI400X3は、高密度かつ省電力な設計で、データセンターのスペース、電力、冷却の制約を克服しつつ、GPUの性能を最大限引き出すことを実現した。 ベンチマークでは、単一ノード環境でも高いスループットを維持し、マルチノードでの分散学習でも一貫した高速データ供給を実現。特に、頻繁なチェックポイント処理でも性能を落とさない点が、実運用における信頼性を裏付けている。これにより、企業はAIプロジェクトのタイムトゥインサイトを短縮し、運用コストを削減しながら、持続可能な形でAIを拡大可能となる。 DDNは2016年からNVIDIAの内部AIクラスタを唯一のストレージ供給元としており、業界の信頼性を確立。医療画像解析、ゲノム解析、複雑な視覚モデルの学習など、多様な分野でのAI活用を支える基盤として、データからリアルタイムの知見を生み出すインフラを提供している。 AI400X3のMLPerf結果は、単なる技術的進歩ではなく、AI開発における「データ供給のボトルネック」を解消する実証された成果。DDNは、AIの本質的な成長を支える「データレイヤー」から革新を起こしており、企業や研究機関がAIを「速く、賢く、安心して」展開できる環境を提供している。