AI時代に求められるのは経験より「高い自発性」——Duolingo元プロダクト長が語る人材の真の価値
5日前
Duolingoの元プロダクト責任者であるアルバート・チェン氏は、AI時代において「経験」よりも「高い主体性(high agency)」が優れたパフォーマンスを生む鍵だと指摘した。10月13日に公開された「Lenny's Podcast」のインタビューで、チェン氏は「最も成果を出す人たちは、必ずしも深い経験を持つわけではない」と語った。彼が目指すのは、使命に共感し、高いエネルギーとスピード感を持ち、自ら動く人材だという。 チェン氏は、AIの進化が著しい現在、過去の経験や習慣が逆に足かせになることがあると警鐘を鳴らした。「AIの環境は急速に変化しているため、学んできたことの多くを意図的に捨てなければならない。初心者としての心構えが、今まさに必要だ」と述べた。 彼の採用観は、面接の質問内容にとどまらない。候補者が自社製品を実際に試したか、深く理解しているか、その関心の度合いを重視する。また、面接の調整やコミュニケーションの仕方、会話に持ってくるエネルギーも重要な判断材料だと語った。 チェン氏はかつてDuolingoとGrammarlyで働いた経験を持つ。現在はChess.comの最高成長責任者を務めている。彼の見解は、AI時代の働き方を変える企業リーダーたちの声と一致している。中国のAI研究機関DeepSeekの創業者・梁文峰氏も、長期的な視点では経験より創造性や情熱が重要だと強調。LinkedInのロスランスキーCEOも、AIを活用する未来の職場では、最高の学位や名門校出身ではなく、適応力や学びの姿勢を持つ人が中心になると予測している。 チェン氏の主張は、AIが変革を加速する中で、経験よりも「動く力」が価値を持つ時代の到来を示している。