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Anthropic、AI企業Humanloopの幹部・チームを acqui-hire 企業向けAIツール強化へ

3日前

人工知能企業のアンソニック(Anthropic)が、プロンプト管理や大規模言語モデル(LLM)の評価、監視を専門とするスタートアップ・ヒューマンループ(Humanloop)の共同創業者らを含む主要メンバーを「 acqui-hire(買収型採用)」で獲得した。この動きは、企業向けAI分野での競争が激化する中、優れた人材を確保するための戦略的な一環とみられる。 ヒューマンループのCEOであるラザ・ハビブ氏、CTOのピーター・ヘイズ氏、CPOのジョーダン・バーガス氏の3名をはじめ、約10名のエンジニアと研究者がアンソニックに移籍。同社のスポークスパーソンは、資産や知的財産の買収は行われなかったと確認しているが、AI分野では人材の知識と経験こそが最大の価値であるため、チームの技術的実績が企業戦略に直結している。 ヒューマンループは2020年にロンドン大学クイーンズ・カレッジのスピンオフとして設立され、YCやFuse Incubatorを経て、Index Venturesらから合計791万ドルの資金調達を実現。DuolingoやGusto、Vantaといった企業向けに、AIアプリケーションの開発・評価・ファインチューニングを支援するツールを提供し、企業向けAIの安全かつ信頼性の高い運用に貢献していた。 アンソニックは、アジェント機能やコード生成の強化で企業市場での存在感を高めている。今回の買収は、AIの安全性や評価・監視機能を強化する「安全最優先」の企業理念とも一致している。アンソニックのAPIプロダクト責任者、ブレイド・アブラムス氏は、「彼らのAIツール開発と評価の実績は、AIの安全性と有用性の向上に不可欠な力になる」と評価した。 また、先週、米政府の中央調達機関との契約で、政府機関1機関あたり初年度1ドルという低価格でAIサービスを提供すると発表。これにより、OpenAIやGoogle DeepMindとの価格競争でも優位に立てる構えだ。企業と政府機関が求める評価・監視・コンプライアンス機能は、ヒューマンループの専門分野であり、アンソニックのエコシステム強化に直接貢献する。 ハビブ氏は声明で、「私たちの開発理念は、安全かつ効果的なAIアプリケーションの構築支援にある。アンソニックのAI安全研究と責任ある開発へのコミットメントは、私たちのビジョンと完全に一致している」と述べ、今回の移籍を企業理念の統合として位置づけている。

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