NVIDIA、NemotronとCosmosでAIエージェントとロボットの知能を進化　CrowdStrike、Uber、Zoomらが導入

NVIDIAはSIGGRAPHで、企業向けAIエージェントと物理AIシステムの発展を支える新たな推論モデル「NVIDIA Nemotron」と「NVIDIA Cosmos Reason」の拡張を発表した。AIエージェントによる生産性向上とコスト削減は2028年までに最大4500億ドルの経済効果が見込まれており、業界のリーダーたちがこれらのモデルを活用している。CrowdStrike、Uber、Zoom、NetApp、Magna、Amdocs、EY、DataRobot、Tabnineなど、多様な業種の企業がNemotronを用いて複雑な業務自動化やAIアシスタントの開発を進めている。 Nemotronシリーズは、科学的推論、数学、コード生成、ツール呼び出し、指示遵守、チャットなどにおいて、同サイズクラスで最高の精度を実現。新モデル「Nemotron Nano 2」と「Llama Nemotron Super 1.5」は、ハイブリッドアーキテクチャ、圧縮モデル、可変思考予算機能により、60％の推論コスト削減を実現。特にLlama Nemotron Super 1.5はNVFP4形式でNVIDIA B200 GPU上でH100比6倍のスループットを達成。NVIDIAはまた、300万件の画像認識・視覚QA・キャプションデータから構成されるオープンVLMデータセット「Llama Nemotron VLM Dataset v1」を公開。これにより、AIエージェントの情報取得能力も強化される。 一方、Cosmos Reasonは70億パラメータの推論型視覚言語モデル（VLM）で、物理世界の理解——物理法則、物体の永続性、時空間の整合性——を可能に。ロボットや自律車両の意思決定、訓練データの品質評価、工場や都市におけるビデオ分析に活用。Uberは自動運転車の挙動分析に、Magnaは都市配送ロボットの環境適応に、VASTはリアルタイム都市インテリジェンス、Ambient.aiは安全監視にそれぞれ導入。これらはすべて、NVIDIAのAIブループリントとNIMマイクロサービスを活用してスケーラブルに展開可能。 NVIDIA NemotronとCosmos Reasonは、Amazon Bedrock、Azure AI Foundry、Oracle Data Science、Google Vertex AIなど主要クラウドプラットフォームでも提供予定。NVIDIAは、企業がプライバシーと制御を確保した上で、AIエージェントとロボットの未来を実現するための基盤を提供している。