チャットGPTの相談は法的保護がなく、訴訟で漏れる可能性
2日前
チャットGPTを「セラピスト」として利用する若者が増えているが、そのプライバシーは保証されていないと、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が警告している。アルトマン氏は、チャットGPTとの会話が、実際のセラピストとの会話と同じ法的保護を受けていないと指摘し、訴訟などで情報が開示される可能性があると述べた。その上で「これは非常に問題だ」と語った。 現在、セラピストや弁護士、医師との会話には医療機密や法的特権が適用されているが、AIとの会話にはそれらの保護がまだ確立されていない。アルトマン氏は、AIとの会話にも「セラピストとの会話と同じようなプライバシーの概念」が必要だと強調し、即時の対応が求められていると述べた。特に若い世代がチャットGPTを相談相手として利用する傾向が強まっていると語っている。 チャットGPTのチャット内容は、暗号化されたメッセージアプリとは異なり、OpenAIが読み取ることが可能で、スタッフがAIの改善に利用したり、不正使用の監視に使っている。OpenAIのデータ保持ポリシーによれば、無料版やプレミアム版のチャットは30日で削除されるが、法的な理由で保持される場合もある。 6月には、ニューヨーク・タイムズなどのメディアがOpenAIを相手に著作権に関する訴訟を提起し、すべてのユーザーログを永久に保持するよう求めた。OpenAIはその訴訟に反論しており、今後も法的な議論が続く見通しだ。 アルトマン氏は、自身が2月に父親になったことをきっかけに、SNSプラットフォームの依存性が子どもに与える心理的影響にも懸念を抱いていると語っている。