マイクロソフト、AI強化のVisual Studio大規模アップデート計画
マイクロソフトは、自社の主要な開発者向けツール「Visual Studio」の大幅なアップデートを計画している。ビジネスインサイダーが入手した社内メモによると、この動きはAIを活用した競合製品の台頭に対応するためのものとみられる。マイクロソフトは無料でオープンソースのコードエディタ「VS Code」を提供しており、アマゾンやウィンズラフなどの企業がこれに基づいた競合ツールを開発している。一方、Visual Studioは有料の統合開発環境(IDE)で、コードの作成、デバッグ、編集、配備、プロジェクト管理など、より豊富な機能を提供している。 Jay Parikh氏は、マイクロソフトのCoreAI部門を率いる新任の執行役員で、4月に社員向けにメモを送り、Visual Studioの次期バージョン「Visual Studio 18」の計画について述べた。このメモでは、社内でのテスト(ドッグフード)を開始しており、今夏に詳細を明らかにする予定と書かれている。 競合のAIコードツールが市場で成長していることを受けて、Visual Studio 18にはAI機能が盛り込まれる予定だ。一方で、マイクロソフトは現在のバージョン17に継続的なアップデートを実施しており、7月にはAI機能を強化した17.14.9のリリースも行われた。 一方、アマゾンは新しくAIを活用した統合開発環境「Kiro」をリリースし、ユーザーのプロンプトやデータを分析してコードを即時に生成する仕組みを採用している。また、バークレイズのデータによると、マイクロソフトのAIコードアシスタント「GitHub Copilot」は一部の開発者市場でシェアを失っている。 マイクロソフトはAI技術を含む開発者ツールの競争力を維持するため、継続的な革新と機能強化を進めている。