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RIKEN、富士通とNVIDIAと協業へ 次世代スーパーコンピュータ「FugakuNEXT」を共同開発

3日前

日本を代表する研究機関・理化学研究所(RIKEN)が、富士通とNVIDIAと連携して次世代超級計算機「FugakuNEXT」の開発を開始した。2024年8月22日、東京で開催された「FugakuNEXT国際共同イニシアチブ発足式典」で、RIKENと両社は共同設計体制を発表。Fugakuの後継機として、日本の科学技術の最前線を支える基盤となる。 FugakuNEXTは、単なる性能の向上ではなく、地震・気象予測、災害対策、新薬開発、先端製造など、日本が直面する社会課題に特化したシステム設計を掲げる。RIKENの本部長・岸本誠氏と、計算科学研究センター長・松岡聡氏がリーダーシップを発揮。富士通のCTO・ヴィブク・マハジャン氏、NVIDIAのハイパースケール・HPC部門バイスプレジデント・イアン・バック氏も出席し、共同開発の意義を強調した。 このプロジェクトは、NVIDIAのソフトウェアスタックをフル活用する。CUDA-Xライブラリ群であるcuQuantum(量子シミュレーション)、RAPIDS(データサイエンス)、TensorRT(高速推論)、NeMo(大規模言語モデル開発)に加え、分野特化型SDKが活用され、AIとHPCの融合を実現する。特に、富士通の「FUJITSU-MONAKA-X CPU」とNVIDIAのGPU間を高速接続するNVLink Fusion技術により、高帯域・低遅延な連携が可能となる。 FugakuNEXTは、仮説生成の自動化、コード生成、実験シミュレーションといった高度な応用を実現。RIKEN、富士通、NVIDIAは、混合精度計算、継続的ベンチマーク、パフォーマンス最適化のためのソフトウェア開発も共同で推進する。 日本政府の文部科学省(MEXT)の支援を受け、大学、行政、企業が全国的に活用できるインフラとなる。これは、技術主権を確保しつつ、国際協働を推進する新しい超級計算機時代の幕開けである。日本が科学的リーダーシップを再び確立するための戦略的投資として、世界に先駆けるイノベーションの基盤が整いつつある。

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