IQM、レゾナンス量子クラウドプラットフォームの大規模アップグレードと新ソフトウェア開発キットの発表
IQM、量子計算クラウドプラットフォーム「IQM Resonance」を大幅アップグレード IQM Quantum Computersは、ミュンヘンで世界初の54ビット量子コンピュータ「IQM Crystal 54」に加え、量子计算クラウドプラットフォーム「IQM Resonance」の大幅なアップグレードを発表しました。このアップグレードは、新たなソフトウェア開発キット(SDK)「Qrisp」の導入と、量子アルゴリズム開発の加速、およびエンドユーザー向けの高性能な量子システムの提供を目的としています。 主な関係者 IQM Quantum Computers: 量子コンピュータのグローバルリーダー。 Fraunhofer FOKUS: Qrispというオープンソースプロジェクトを開始した研究機関。 Raphael Seidel: Qrispの開発責任者として、2025年10月からIQMで勤務予定。 Dr. Stefan Seegerer: IQMのQuantum Platformの製品責任者。 時系列と背景 IQM Quantum Computersは、2023年に54ビット量子コンピュータ「IQM Crystal 54」の提供を開始しました。同社は、量子コンピュータの普及と開発の加速を目指して、「IQM Resonance」クラウドプラットフォームの改修を行いました。2025年10月からは、Qrispの開発責任者にRaphael Seidelが就任する予定です。 経緯と結果 アップグレードの一環として、QrispがデフォルトのSDKとなり、量子開発者や研究者が簡単に学び、高性能なプログラムを開発できるようになりました。また、他の人気の量子プログラミングフレームワーク(Qiskit、Cirq、Cuda Quantum、TKET)のサポートも引き続き行われており、ユーザーフレキシビリティを確保しています。これにより、経験豊富な量子開発者だけでなく、初心者でも利用可能な環境が整っています。 Qrispの直感的で高性能なインターフェイスは、量子ゲート数の削減とコンパイラのスケーラビリté改善など、多様な性能アドバンテージを示してきました。Seidel氏は、Qrispの直接的なハードウェア統合が故障対容性のある量子コンピュータ時代に大きな先進性を与えると指摘しています。 重要な事実と突破口 QrispがデフォルトのSDKに: 直感的で高性能な量子プログラミングインターフェイスを提供。 他のフレームワークのサポート継続: Flexibility for all usersを確保。 無料のStarter Tier: 各エンドユーザーに月30クレジットまで無償で提供。学生、研究者、開発者が障壁なく量子技術を学び、利用できる機会が増える。 54ビット量子コンピュータへのアクセス拡大: 限定的にStarter Tierユーザーにも開放。 関連背景 Dr. Stefan Seegerer氏は、このアップグレードが新しい量子計算のユーティリティ時代の到来を示すものであると強調し、エコシステムの強化と革新的なツールの提供を通じて、研究者や開発者が可能性の限界を押し広げる手助けになると述べています。特に、無料のStarter Tierは量子技術の普及を後押しする重要なステップになると指摘しています。 IQM Quantum Computersについて IQM Quantum Computersは、超伝導量子コンピュータの世界的なリーダーであり、オンプレミスのフルスタック量子コンピュータとクラウドプラットフォームの両方を提供しています。顧客層には、ハイパフォーマンスコンピューティングセンター、研究所、大学、企業などが含まれ、これらの組織はIQMのソフトウェアとハードウェアへの完全なアクセス権を持っています。IQMは300人以上の従業員を擁し、フィンランドに本社を置きながら、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ポーランド、スペイン、シンガポール、韓国、米国など全球的に活動しています。 IQM Quantum Computersの新たなアップグレードは、量子技術の民主化と革新的リーダーシップの追求を強く示しています。Qrispの導入と無料Starter Tierの開始は、量子計算の普及と技術の進歩に貢献する重要なマイルストーンとなるでしょう。