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Harrison.aiの専用AIモデルが医療画像チャレンジで優れた成績を収める

3日前

オーストラリアの医療AI企業Harrison.aiは、米マサチューセッツ総合病院(Mass General Brigham)と米国放射線学会(ACR)データサイエンス研究所が主催した独立した大規模評価で、専門的な放射線診断用基礎モデル「Harrison.rad.1」が顕著な成果を上げたと発表した。この評価は、2025年ACR年次会議で実施され、113名の認定放射線医が2,840回の盲検評価を実施。参加者は胸部X線画像とその報告書を検討し、AI生成か人間の放射線医によるものかを識別するテストに挑戦した。 Harrison.rad.1が生成した報告書の「受容率」は65.4%に達し、人間放射線医の報告書(79.6%)には及ばなかったが、これはAIが医療現場での「下書き報告」の役割を果たす上で極めて前進的な水準であると評価された。特に、放射線医の不足や画像検査件数の増加といった医療現場の課題を背景に、AIが診断効率の向上に貢献できる可能性が浮き彫りになった。 Harrison.rad.1は、すべてのX線モダリティに対応する数百万枚のDICOM画像と放射線報告書で訓練された専門モデル。一般向けAIと異なり、臨床的正確性と事実の整合性に特化しており、その性能はVQA-Radという代表的な医療AIベンチマークでも、OpenAIやGoogle、Anthropicなどのモデルを上回った。同社の診断支援ツール「Annalise Enterprise CXR」は、胸部X線で最大124の所見を検出でき、放射線医の診断精度を45%向上させる効果が実証されている。 Harrison.aiのトランCEOは、「この評価は、AIが放射線診断の実用化に向けた重要な一歩である」と強調。一方で、「まだ課題は残っている。モデルのさらなる改善と規制当局との連携を進めていく」と述べ、責任あるAI導入の姿勢を示した。 現在、同社の技術は40カ国以上で承認され、オーストラリアでは50%の放射線医が利用、イングランドでは35%以上の胸部X線が同技術で処理されている。米国ではFDA 510(k)認可とメディケア新技術加算支払い(NTAP)の認定を取得。Harrison.aiは、AIを活用した診断支援とワークフロー最適化を通じ、世界中の医療インフラの拡充を目指している。

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