2025年版エムボディドAI企業評価:ソフトバンクロボティクス、ABB、トヨタが humanoid と産業自動化でリード
2025年版「エンボディドAI企業評価レポート」がリサーチアンドマーケッツ(ResearchAndMarkets.com)から発表された。同レポートは、物理的な形を持ち、周囲環境とリアルタイムで相互作用する「エンボディドAI」市場を対象に、世界の主要企業を360度評価する「エンボディドAI企業クアドラン」を構築。100社以上を対象に分析し、トップ12社を「リーダー」として評価した。 エンボディドAIとは、ロボット、自律移動体、補助装具、スマート家電などの物理的な体を持ち、センサーで環境を感知し、意思決定や学習を実現するAI技術を指す。医療、工業自動化、物流、防衛、教育など幅広い分野で、機械の自律性を高める基盤技術として注目されている。市場はAI・ロボット技術の進化とエッジコンピューティングの発展、実世界でのAI導入への投資増加により、急速に拡大している。 トップ3企業は以下の通りである。 ソフトバンクロボティクスグループは、人型ロボット「ペッパー」「NAO」を軸に、介護、物流、教育分野で多様な製品を展開。日本、米国、欧州を含むグローバル展開と、技術の継続的進化により、市場リーダーとしての地位を確立。 ABBは、自動車・航空分野向けの工業用ロボット「GoFa」「Yumi」を主力に、RobotStudioによるシームレスな自動化ソリューションを提供。100カ国以上に事業展開し、技術的・地理的広がりで強みを発揮。 トヨタ自動車は、人型ロボットやエクソスケルトン技術で知られ、アジア太平洋と北米市場で影響力を持つ。製品ラインはやや限定的だが、自動車分野での基盤と継続的な技術革新により、高い評価を受けている。 レポートは、市場動向としてAIとロボットの統合加速、人間との対話需要の増加、サービスロボットの消費者市場拡大、自律移動体の実用化が主な成長要因と分析。一方で、倫理的課題やプライバシー懸念、実世界データの不足、標準化の遅れといった課題も指摘。また、SLAM、強化学習、センサーフュージョン、自然言語処理などのキーテクノロジーが、技術基盤として重要視されている。 企業戦略としては、研究開発投資、戦略的提携、新製品展開が顕著。特に、産業界とAIの融合が進む中、エンボディドAIは今後の技術基盤としての役割を強めていく。