OpenAI、大量の計算リソースを投入した新機能をテストへ Proユーザー限定や追加料金も
OpenAIのサム・アルバートCEOは、X(旧Twitter)で新たな「計算資源集約型」の機能を近日中に提供すると発表した。同社は、高性能なAIモデルの開発・実行に膨大な計算力(コンピューティング)を要するため、一部の新機能は初期段階でPro会員限定とし、特定の製品には追加料金を設定する方針を示した。アルバート氏は、これらの新機能が「今日のモデルコストで、大量の計算リソースを投じて面白いアイデアに挑戦する実験」であると説明。AIインフラの限界を試す取り組みとして、計算力の活用を加速させたい考えを示した。 同氏は、長期的な目標として「知能のコストを可能な限り下げ、サービスを広く普及させること」を繰り返し強調。「時間はかかるが、確信を持って実現できる」と述べ、技術的進歩によるコスト低減への期待を示した。 この動きは、OpenAIが直面する課題を浮き彫りにしている。AIの進化には莫大なGPUリソースが必要で、同社は今後1年以内に100万枚以上のGPUを導入する計画を明らかにしている。7月には「チームが100倍の計算力を使えるようにしなければならない」と冗談交じりに投稿。同様に、同社のプロダクト責任者ケビン・ワイル氏も、「GPUが増えるたびにすぐに使われる」と語り、計算力の増強がAIの普及を加速すると指摘した。 他社も同様にGPU競争を激化させている。エロン・マスクのxAIは「コロッサス」と呼ばれる20万枚以上のGPUを搭載したスーパークラスタを活用し、Grok4の学習に使用。メタのマーク・ザッカーバーグCEOも、「研究者1人あたりの計算リソース」を競争優位の鍵としており、GPUや専用インフラへの支出を他社を上回ると明言した。 結論として、AIの未来は「計算力の多寡」に大きく左右され、OpenAIはその先端を走りながら、コストと可用性のバランスを取る挑戦を続ける。