OpenAIがGPT-5発表で誤ったチャートを修正、CEOも「大規模なミス」と認める
OpenAIは、GPT-5のライブデモ中に表示された誤ったグラフについて、ユーザーからの指摘を受け修正した。同社CEOのサム・アルトマン氏は、このミスを「マジックチャート・スクリューップ(大規模なグラフの失敗)」と自嘲した。デモ中、複数のグラフに明らかな誤りが含まれており、視覚的に誤解を招く内容となっていた。特に、GPT-5とOpenAI o3の「コーディング・デシジョン率」を比較するグラフでは、GPT-5のデシジョン率が50%と高い一方で、そのバーの長さがo3(47.4%)よりも短く表示されており、数値と視覚情報が一致していなかった。また、別の指標では69.1%と30.8%の値が同じ長さのバーで表現され、52.8%のバーがそれらよりも大きくなっていたが、実際には最も小さい数値だった。こうした矛盾は、データの正確性を疑わせるものだった。 アルトマン氏はツイートで「私たちのマジックチャート・スクリューップ、うわあ」とコメント。OpenAIのマーケティング担当者は、その後の公式ブログ記事で「意図しないグラフの誤り(unintentional chart crime)」を認めて修正を発表し、謝罪した。同社は、このグラフの作成にAIが使われたかどうかは明らかにしていない。 技術デモの失敗は過去にも例がある。2023年、マイクロソフトのBing AIチャットは、コードレス掃除機について「コードが短い」という欠点を挙げ、明らかに誤った回答を示した。また、GoogleのAIチャットボットBard(現Gemini)は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に関する事実を誤って回答し、広告キャンペーンに問題を引き起こした。 今回の事態は、AI技術の進化に伴い、人間の注意と検証の重要性がますます高まっていることを示している。OpenAIは依然として世界をリードするAI開発企業として注目されるが、技術の信頼性には、正確なデータ表現と透明性が不可欠である。