AIスタートアップの面接で「まずはあなたから質問してください」という新手法
AIスタートアップDexのCEO兼共同創業者のパディ・ランブロス氏は、面接の最初に候補者に質問をさせるという独自の方法を採用している。彼は、候補者が自分のバックグラウンドや適性について尋ねるのではなく、まず自分に質問をするよう促す。この方法で、彼は優れた候補者が最も興味深く、洞察力のある質問をする傾向があると判断している。一方、準備不足の候補者は質問ができず、または意味のない質問をすることもある。 ランブロス氏は、面接を「発見の会話」と考え、多くの本を読んだ経験からこのアプローチを確立した。彼は1万人以上に面接した経験を持つ。DexはAIを活用してソフトウェアエンジニアと雇用主をつなぐ人材紹介企業で、A16z Speedrunなどの投資家から支援を受けている。 ランブロス氏によると、AIで練り直された答えを準備した候補者が増えており、それにより質問の質が低下している。しかし、独自の質問を出すのは難しいため、その能力が候補者の関心や準備度を示す指標となるという。例えば、「60日以内にトップパフォーマーかどうかを見極めるポイントは?」や「1年後に私がここにいてよかったと感じられる要素は?」といった質問は、候補者が仕事の影響力について真剣に考えていることを示す。 この方法は候補者に混乱を与える意図ではないが、インタビューの前半で質問をさせることが、より深い対話につながるとランブロス氏は語る。また、AIに依存して準備した答えを述べる傾向がある候補者には、この方法が効果的ではない可能性もある。 リーダーシップコンサルタントのエリザベス・ロタード氏は、この方法がリーダーシップや販売職などの、対人スキルが重要な役割には特に有効だと述べている。一方で、タスクに特化した職種では効果が限定的かもしれないという見解を示した。