GitHub Copilot、累計ユーザー2000万人突破 企業向けAI開発ツールの競争激化
GitHub Copilotが累計2000万人のユーザーを突破した。マイクロソフトのサティヤ・ナデラCEOは、同社の第2四半期決算発表会でこの成果を発表。GitHubの広報担当者は、この数字が「累計ユーザー数」であると確認した。前回の4月には1500万人だったことから、過去3か月間で500万人が新規に利用を開始したとみられる。ただし、月次や日次ユーザー数については公表されておらず、実際の継続利用者はさらに少ない可能性がある。 GitHub Copilotは、現在のAIコーディングツールの中でも特に人気があり、Fortune 100企業の90%が導入している。企業向けの採用率は前四半期比で約75%増加しており、企業市場での成長が顕著だ。ナデラCEOは、2024年の時点でGitHub Copilotの事業規模が、マイクロソフトがGitHubを買収した2018年当時の全事業を上回ったと述べ、そのビジネス的価値を強調した。 一方、AIチャットボットのChatGPTやGeminiのように数億人単位の月間ユーザーを獲得するには至っていない。しかし、ソフトウェア開発という専門性の高い分野では、開発者や企業がAIツールに高い価値を見出し、費用を惜しまない傾向にある。マイクロソフトの企業基盤とGitHubの開発者エコシステムが、同製品の企業市場における優位性を支えている。 競合も急速に台頭している。AIコードツール「Cursor」は、3月時点で日次利用者数が100万人を超えると報じられ、年間定期収益(ARR)は2億ドルから5億ドルに急増。GitHub Copilotと同様に、AIエージェントによるコードレビュー、バグ検出、開発ワークフローの自動化といった機能を強化しており、両社の製品は徐々に類似化している。 GoogleはAIコーディングスタートアップ「Windsurf」を買収し、Cognition社はAI開発エージェント「Devin」を展開。OpenAIとAnthropicも、それぞれCodexとClaude Codeを基盤にした独自のAIコーディングツールを開発中だ。こうした動きから、AIコーディング分野は、AIの中でも最も激しい競争が繰り広げられている市場へと進化している。