Nvidia Rubin CPXにGraphics用ハードウェアが搭載?AIGPUながらRTX 6090の伏線か
NVIDIAが先日、AI推論専用データセンターGPU「Rubin CPX」を発表した。これは、次世代AIインフラ「ディスアグリゲートアーキテクチャ」の一部として、計算性能に特化した設計で、2026年末にリリース予定。しかし、NVIDIAが公開したチップのdieショット(素子写真)を分析した独立半導体アナリスト「High Yield」が、驚くべき発見をした。AI処理に不要なグラフィックス専用回路が多数搭載されていることが判明したのだ。 具体的には、16のグラフィックスプロセッシングクラスタ(GPC)と、各GPCに6つのテクスチャプロセッシングクラスタ(TPC)を備え、合計192のストリーミングマルチプロセッサ(SM)を持つ。これはBlackwellベースのRTX 5090と同数。さらに、256のラスタ出力パイプライン(ROP)と4つのディスプレイエンジンが確認され、これはAI専用GPUとしては不自然な構成だ。RTX 5090のGB202チップは170 ROPと12 GPCに過ぎない。この設計は、AI専用に特化しているとは言えず、実際にはゲーム向けGPUの基盤としての可能性を示唆している。 もしNVIDIAが部分的に機能しない部分を無効化して再利用する慣例に従えば、Rubin CPXはRTX 6090の基盤になり得る。28,672個のCUDAコアと224 ROPを持つ可能性があり、RTX 5090の21,760コア・176 ROPを上回る。さらには、8 TPC/GPCの構成を維持すれば、最大32,768コアにまで拡張可能。10%程度の製造不良率を考慮しても、28,000コア以上は確実に確保できる。これは、世代ごとの性能向上率が28~30%に達する可能性を示唆している。 さらに、512ビットのGDDR7メモリバスと128MBのL2キャッシュ、PCIe 6.0対応、そして動画エンジンの存在も確認。これにより、有効メモリ帯域幅は約2TB/sに達し、RTX 5090の1.8TB/sを大きく上回る。これらの特徴は、AI推論だけでなく、高解像度でのラスタライゼーション性能の向上も可能にし、ゲーム用途での強力な性能を示唆している。 Rubin CPXは2026年末にリリースされ、Vera Rubinと併せてNVIDIAの最強AI推論ソリューションとなる。RTX 6090は、過去のパターンから考えると2027年CESで発表される可能性が高い。時間軸は合っているが、現時点では公式発表ではないため、慎重な見方が必要。しかし、Rubin CPXがAI専用GPUにとどまらず、次世代ゲームGPUの基盤となる可能性は、極めて高い。