Snorkel AI、13%の人員削減へ データラベリング事業の再編が背景
シリコンバレーを拠点とするAIデータサービス企業、スノーケルAI(Snorkel AI)が、従業員の約13%に当たる31人を削減した。同社はBusiness Insiderに対し、今回の人員調整は「データ・アズ・ア・サービス(DaaS)」事業へのシフトに伴うものだと説明。既存の一部ビジネス領域を優先順位を下げ、新たな成長分野に集中するための措置とし、影響を受けた社員たちへの感謝と支援を表明した。 スノーケルAIは2020年にスタンフォード大学から独立したスタートアップで、AIモデルの訓練に必要なデータのラベリングや品質管理を、人間の専門家を活用して提供するサービスを展開。今年5月には1億ドルのシリーズD資金調達を実施し、13億ドルの企業価値を達成。GoogleやAnthropicといった大手テック企業と提携している。 今回のリストラでは、ソフトウェアエンジニアリング部門が最も影響を受け、13人が退職。一方、AI関連の研究開発職(応用AIエンジニアや研究科学者)は全員残留。AIを含む職種に従事する25人のうち、退職したのは3人だけだった。また、ビジネス開発のグローバル責任者やAIソリューションエンジニアリングのディレクターといった上級職も含まれた。 これは、データラベリング業界で相次ぐリストラの一環である。同業の大手Scale AIも7月に14%(500人)を削減。Metaが49%を出資し、CEOを引き抜いたことで、Googleなど主要顧客が離脱。同社は過剰な採用と市場環境の変化、そして黒字化の困難さを理由に挙げている。さらに先月、AIのリスクを検証するチームの10人以上が契約解除された。 スノーケルAIは、AIの発展に伴いデータ品質の重要性が高まっている中、人間の専門知識を活かすサービスの価値を維持しつつ、事業の再構築を進めている。