CoreWeave、Monolithを買収でAI×産業革新を加速
CoreWeaveは、人工知能(AI)を工学・製造分野に応用する先進企業、Monolith AI Limitedの買収を発表した。この提携により、CoreWeaveはAIを活用した産業用ソリューションの提供を強化し、自動車、航空宇宙、製造業など、複雑な物理現象と工学課題に直面する産業界へのサービス拡大を図る。Monolithのシミュレーションとテスト駆動型機械学習技術を、CoreWeaveが提供する専用AIクラウドと統合することで、企業が研究開発(R&D)のサイクルを短縮し、製品開発を加速できるフルスタックプラットフォームが実現される。 CoreWeaveの共同創業者兼戦略責任者、ブライアン・ベンチューロ氏は、「産業界のリーダーたちはAIがビジネスを変える可能性を理解しているが、その技術を活用するためのツールが不足している。Monolithはこうした課題を解決してきた」と語り、両社の統合で、AIを用いた革新的な製品開発をより多くの企業が実現できると期待を示した。 Monolithの創業者兼CEO、リチャード・アールフェルト博士は、「AIをエンジニアの手に届けることが当社の使命。CoreWeaveとの統合により、そのミッションを大幅に拡大できる」と述べ、AIの導入に必要なインフラと知識が不足する業界の技術者たちを支援する姿勢を強調した。 Monolithのプラットフォームは、異常検出やテスト計画の最適化、次のテスト提案といった機能を提供。エンジニアがAIやプログラミング知識を持たなくても、実験データから複雑な物理現象をモデル化できる。世界有数の自動車メーカーである日産、BMW、ハニウェルなども既に採用しており、開発サイクルを数か月短縮する実績がある。 McKinseyの調査では、複雑な製造業におけるAI活用でR&D効率が20~80%向上する可能性があるとされている。CoreWeaveは、この買収を含め、強化学習向けのOpenPipeや、モデル開発の追跡ツールであるWeights & Biasesとの統合を通じて、AI開発を支援する「必須のAIクラウド」としての地位を確立している。 自動車分野では、アストンマーティン・アラムコF1チームの公式AIクラウドパートナーとして、同チーム初の大規模クラウド施設の構築を支援している。 買収の金額は非開示。取引は通常の条件を満たした時点で完了する予定。