Omada Health Sticks to Human Touch in Care, Resists Full AI Integration Post-IPO
Omada HealthがAIの全面導入に抵抗する理由 6月6日、設立14年目を迎えたオマダ・ヘルスがNASDAQに上場した。同社は慢性疾患の管理に特化しており、デジタルヘルスケアクロスの第2弾となる上場は、5月21日にフィジカルセラピースタートアップのヒンジ・ヘルスが上場して以降のものだ。ヒンジ・ヘルスのCEO、ダニエル・ペレスは、同社がAIを活用することで可能な限り在宅ケアを自動化すると宣言していたが、これとは異なる方針を示しているのがオマダ・ヘルスだ。 オマダ・ヘルスのCEO、シアン・デュッフィーは、AIの全面的な導入には慎重であると述べた。「まだ誰もChatGPTが患者のために真剣に責任感じているのを見たことがありません。感情的なエンゲージメントはAIではなく人間だけが提供できる」と彼は述べている。オマダ・ヘルスは、AIを支援的な役割に留め、直接的な患者ケアには人間のスタッフを重視し続ける方針だ。 AIの利用状況と方針 オマダ・ヘルスは2011年に設立され、糖尿病や高血圧などの慢性疾患のオンライン管理を提供してきた。今年5月、オマダは初めて消費者向けAIをリリースした。これは、栄養関連の質問に答え、食習慣に関する目標設定のためのガイダンスを提供するAIエージェントである。同社は長年、AIを背景で利用していたが、主な目的はコーチが効果的かつ効率的に患者をケアするために、適切な教育ビデオを提示することだった。 他のスタートアップはより積極的にAIを直接的な患者ケアに導入している。筋骨格系疾患の治療に特化したsword healthが去年からAIを使い、物理療法士が患者に送るメッセージを自動生成するようになった。また、ヒポクラティックAIはNVIDIAとの提携によりAI「ナース」の作成を進め、ビデオチャットによる患者とのコミュニケーションを実現しようとしている。 デュッフィーは、AIエージェントをケアチームの代わりに患者にメッセージを送らせることは「簡単すぎる」と指摘している。「市場にある多くのツールが過大評価されており、単に既存の大きなモデルのAPIを開ければ済むこともある」と述べている。しかし、オマダの新AIエージェントは临床上の証拠に基づいており、患者とプロバイダー間の意思疎通を向上させる具体的なインサイトを提供する。また、利用者がAIエージェントと対話していることを明確に認識できる設計になっているという。 臨床試験に基づくアプローチ オマダ・ヘルスは、臨床試験に基づいた証拠が重要であると考える。過去に30件近くの査読付き論文を発表し、製品の効果性を科学的に確認してきた。 clinical innovation and quality担当副社長のジャスティン・ウー医師は、最近のAIモデルの大幅な改善により、患者が直接AIと対話できるレベルに達していないかぎり、AIの導入には慎重だったと説明している。同社は自社の臨床データで新しいAIエージェントを微調整し、これを栄養目標設定の支援に使用している。 GLP-1処方への姿勢 オマダ・ヘルスは、OzempicやWegovyなどの新しい体重管理薬GLP-1の処方方面でも他の企業とは異なる方針を取りている。同社はGLP-1薬を使っていないが、これらの薬を服用している患者の管理を行っている。デュッフィーは、GLP-1の処方に積極的でない理由は能力不足ではなく、「我々の役割は一次医療を補完することであり、代替することではありません」と明確に述べている。患者の主治医が処方を担当すべきだと考えているが、患者からの強い要求があれば将来的に検討する可能性があるとした。 上場の詳細 オマダ・ヘルスは11億ドルの評価で上場し、初値は23ドルで、発行価格の21%上昇を記録した。初日の終値は22.60ドルとなった。同社の上場により、AIやGLP-1药物に焦点を当てた競合他社ではなく、人間中心のケアを続けるという戦略が市場で評価された形だ。 業界関係者の見解 デジタルヘルス業界では、AIの急速な導入がトレンドとなっているが、オマダ・ヘルスの姿勢は一歩引いたものだ。同社は科学的証拠に基づくアプローチにより、信頼性と効果性を維持している。オマダ・ヘルスは、患者との深い結びつきと臨床試験の確かな成果を基盤に、今後も人間中心のケアを追求していくことだろう。 (600文字)