NVIDIA RTX 5090、Blackwellアーキテクチャで実現した史上最快のGPU性能と最新動向
NVIDIAの次世代GPU「RTX 5090」は、ブラックウェル(Blackwell)アーキテクチャを搭載し、同社史上最快のグラフィックスプロセッサとして注目を集めている。2025年8月現在、複数のベンチマークテストや実機レビューを通じて、その性能の高さが確認されている。特に、32GBのVRAMを搭載したモデルは、ゲームだけでなく、AIトレーニングや専門的なクリエイティブ作業にも対応するハイエンド仕様として評価されている。 一部のメーカーが発表した「ブロワー型」のRTX 5090モデルは、価格が5,999ドル(約90万円)に設定され、冷却設計の工夫により、AIワークロードにも適した構成となっている。一方、アスキー・エヌ・ディー(ASUS)が発表した「Dhahab Edition」は、金メッキ仕上げの豪華モデルとして、RTX 5080が2,600ドルで販売されている。 しかし、性能の高さと同時に課題も浮上している。一部のユーザーが自作PCでRTX 5090の16ピン電源コネクタに過熱現象を報告。これに対し、DIYコミュニティでは「ケーブルスパゲッティ」と呼ばれる複雑な配線で熱対策を行う「RTX 5090カウンターメasures」が登場している。また、Zotacの一部モデルが『バトルフィールド6』のプレイ中に発火したとの報告もあり、信頼性と電源設計の課題が指摘されている。 さらに、中国市場向けに発売された「RTX 5090D V2」は、メモリ容量と帯域幅を25%削減することで、AI性能を制限。価格は2,300ドル(約35万円)と、欧州市場の一部モデルより低価格で、規制対応の姿勢がうかがえる。 NVIDIAは欧州市場で一部のRTX 50シリーズの価格を引き下げており、価格戦略の調整も進んでいる。一方、Noctua社は、Blackwellのプロセス製造で十分なdie(チップ)が確保できず、フラッグシップカードの開発に踏み切れない状況だと明かしている。 総合的に見ると、RTX 5090は性能面で圧倒的な存在だが、電源設計、過熱対策、価格設定のバランスが今後の課題となる。開発者やプロユーザーにとって魅力的な製品である一方、安定性と信頼性の確保が鍵となる。