Sora 2で体感したAIの現実：驚きと恐怖が交錯する未来の幕開け

OpenAIの新AI動画生成ツール「Sora 2」を体験した筆者は、AIの未来が実際に到来したと実感したと述べている。このツールは遊び心にあふれ、自分や友人の写真を使ってユーモアあふれる動画を作成できるため、非常に楽しいと評価している。しかし、その一方で、リアルさの高さが「現実と偽物の区別がつかなくなる」恐れを生み出すという深刻な懸念も抱いている。 Sora 2は、ユーザーが自分の画像をアップロードし、プロンプトで動画を生成できる仕組み。友人や誰でもが自分の顔を使った動画を作成できるため、「サム・アルトマンが店を強盗する」といったフェイク動画が瞬時に広がるなど、危険な使い方も可能になる。これまでのAI生成動画とは異なり、Sora 2は「自分自身の姿」をリアルに再現できる点で、画期的かつ恐ろしい進化を遂げている。 筆者はこれまでChatGPTなどを使ってきたAIツールは「便利な道具」に過ぎないと感じていたが、Sora 2はその枠を超えた体験をもたらした。特に、自分自身の姿がAIによって再現され、自由に動かせるという点で、AIの可能性とリスクが同時に浮き彫りになった。 この技術の危険性は、スパムや詐欺、個人の名誉毀損、政治的誤情報の拡散など、多岐にわたる。特に、一般人が高品質なAI生成動画の被害に遭うリスクが顕在化している。また、著名人の中でも、Jake Paul氏がSora 2に登場している点が注目される。彼はSoraの発表直後に自身の顔を使ったユーモア動画を投稿し、ビジネスインサイダーを称賛する「発言」をAIが生成したが、これは明らかにフェイクである。この事例が示すように、誰が本物で誰が偽物か判断できなくなる「新しい世界」が既に始まっている。 Sora 2は、AIが人間の存在そのものを再現できる段階に達した証拠である。その未来は「素晴らしい」とも「恐ろしい」とも言える。技術の進化に伴い、倫理、法制度、個人の権利保護の仕組みが追いつく必要がある。