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元AppleCEOが指摘「AI時代にAppleの真のライバルはOpenAI」

5日前

Appleの元CEOであるジョン・スカリー氏が、同社がAI時代に「数十年ぶりの本格的競合企業」に直面していると指摘した。ニューヨークで開かれたZeta Live会議で講演したスカリー氏は、OpenAIを「Appleが長年にわたり直面した中で最も本格的な競合」と評価。一方で、Apple自身はAI分野に「特に強みを持っていない」と述べ、同社がOpenAIやグーグル、アマゾン、メタなどと比べてAI製品の継続的な刷新が遅れている点を挙げた。特に、AI搭載音声アシスタント「Siri」の大幅刷新計画が今年中止されたことも、その遅れの象徴とされている。 スカリー氏は1983年から1993年までAppleのCEOを務め、ピーリーでのマーケティング経験を活かしてMacのブランド化に貢献。当時のCEOスティーブ・ジョブズとは対立関係にあり、ジョブズは1985年に退任。その後1997年に復帰し、CEOに就任した。 講演では、現CEOのティム・クック氏の引退可能性についても言及。次期リーダーには「アプリ時代」から「エージェンティック時代」への転換を担う人物が求められると強調した。エージェンティックAIとは、ユーザーの目的を理解し、自ら複雑なタスクを遂行する自律型AIのことで、これによりアプリの数が減少し、すべての業務がスマートなAIエージェントで処理可能になると説明した。 また、スカリー氏は、AIの進化に伴い、ソフトウェアの販売から「サブスクリプションモデル」へのシフトが不可避だと指摘。「アプリ時代はツールの販売だったが、サブスクリプションは利用継続に価値を置く。これはより持続可能なビジネスモデルだ」と述べた。 一方、Appleの元デザイン責任者で、iMacやiPod、iPhone、iPadを設計したジョニー・アイブ氏が、今年OpenAIに加わった。同氏が率いるデバイススタートアップは60億ドル以上で買収され、OpenAIのDevDay会議で「スマートフォンやタブレットがもたらした問題を解決するデバイス開発」を目標に掲げた。スカリー氏は「アイブ氏が、OpenAIのLLMに実用的なデザインの次元をもたらす可能性がある。サム・オルトマンと協力すれば、大きな変化が生まれるだろう」と期待を寄せた。 このように、AppleのAI戦略の遅れと、元幹部のOpenAI進出という動きが、AI時代における企業の再編を象徴している。

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