VerticalScope、TollBitと提携してAI向けコンテンツライセンスで収益化へ
カナダのテクノロジー企業、VerticalScope Holdingsが、AIデータライセンス市場の拡大に向け、AI企業とコンテンツ提供者をつなぐプラットフォーム「TollBit」と提携した。この提携により、VerticalScopeは自社が保有する1,200以上のオンラインコミュニティから構成される、23億件を超える投稿データを、AI開発企業に合法的にライセンス提供できる仕組みを構築。これにより、コミュニティの貴重な人間の知見をAI学習に活用しつつ、コンテンツの価値を適正に評価・報酬化する体制を整える。 VerticalScopeは1999年に設立され、趣味や専門分野のオンラインコミュニティを運営するクラウドプラットフォームとして、約1億人の月間アクティブユーザーを擁する。そのコンテンツは、AIにとって極めて貴重な「真実性」「専門性」「継続性」を持つ構造化データとして評価されており、特に生成AIやRAG(検索拡張生成)技術の訓練に適している。 提携を通じて、TollBitが提供する「トールブース」技術により、AIのクローラー(ボット)による無断データ収集を監視・認証し、ライセンス料を徴収する仕組みが導入される。これにより、コンテンツの権利保護と、新たな収益源の創出が両立する。VerticalScopeのクリス・グッドリッジCEOは、「AI時代におけるコンテンツの価値を再評価し、コミュニティの信頼性を守りながら、新たな収益モデルを構築する」と強調。TollBitのトシット・パニグラヒCEOも、「プラットフォームが貢献したコンテンツがAI企業に正当に評価され、利用者がその価値を認識できる仕組みを実現する」と述べ、健全なコンテンツエコシステムの維持を訴えた。 この提携は、AIが急速に発展する中で、ユーザー生成コンテンツの権利と収益化の在り方を再考する画期的な一歩であり、VerticalScopeがAI時代に向けた戦略的転換を進める重要な動きと位置づけられる。