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Netflix、AI活用に向けたパートナー向けガイドラインを公開

13日前

Netflixが、制作パートナーが生成AI(gen AI)を活用する際のガイドラインを明確化した。同社は、2024年公開の真実をテーマにしたドキュメンタリー『What Jennifer Did』で、実際のアーカイブ写真の代わりにAI生成画像が使われたことにより、視聴者に対する信頼の損失を懸念している。この事例は、AIが現実と虚構の境界を曖昧にし、真実を求める視聴者に誤解を招くリスクを浮き彫りにした。 こうした懸念を受けて、Netflixはパートナーヘルプセンターに「生成AIの利用に関するガイドライン」を公表。同社は、生成AIを「創造的な支援ツール」と位置づけ、動画、音声、テキスト、画像の迅速な生成を可能にする価値ある技術と評価している。しかし、技術の進化が著しく、新たなリスクも伴うため、利用にあたっては明確なルールの遵守が不可欠と強調している。 具体的には、以下の5つの原則を重視している。 1. 生成AIの出力は、最終納品物として使用しないこと。 2. 人物の外見(タレントの類似性)、個人情報、第三者の知的財産を含む場合は、事前書面承認が必要。 3. 利用計画は、Netflix担当者に事前に報告すること。 4. 原則的に低リスクの利用は法的審査を要しないが、不確実な場合は上申必須。 5. 視聴者が「映像や音声に信頼を置ける」状態を維持することが最重要。 同社は、AIが「創造性の強化」につながる一方で、誤解や法的リスクを招く可能性があると認識しており、制作チームに慎重な対応を求める。 また、共同CEOのテッド・サランドス氏は、AIが「コストを下げるため」ではなく「作品の質を高めるため」のツールであると明言。アルゼンチン制作のSFドラマ『The Eternaut』が、AIを活用して予算内での制作を実現した例として挙げており、今後もクリエイターの活用を推進する姿勢を示している。 Netflixは、技術の可能性を活かしつつも、信頼性と倫理を最優先する方針を貫く。

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