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Ai2、科学用AIエージェントの新基準「Asta」を公開

12時間前

アレン研究所(Ai2)が、科学分野における信頼性の高いAIエージェントの新基準として「Asta」を発表した。このオープンエコシステムは、AI研究アシスタント、厳格なベンチマーク、開発者向けツールを一体化し、科学的根拠に基づいた透明性と再現性を重視したAIの実用化を推進する。同社CEOのアリ・ファルハディ氏は「AIが科学を変える可能性があるが、それは科学そのものと同じ基準を満たすことが前提」と強調。Astaは、研究者が本物の課題に向き合うための「信頼できる共同研究者」としての役割を果たす。 Astaは、文献のレビュー、証拠の統合、データ分析(ベータ版)を可能にするオープンソースのAIアシスタント。すべての出力には出典が明記され、研究ワークフローに自然に組み込める設計となっている。すでにシカゴ大学やワシントン大学を含む194の機関で実用化され、治療標的の同定や新たな研究領域の探求を加速している。シカゴ大学知識ラボのジェームズ・エヴァンス氏は、「研究者が文献の収集と要約で苦しんでいる今、Astaはその壁を打破する」と評価。 Astaの核となるのは「AstaBench」と呼ばれる世界初の科学的AIエージェント用ベンチマーク。2,400以上の実問題を含む11のベンチマークと、16のリーダーボードで、エージェントの多段階研究能力(文献理解、コード実行、発見プロセスなど)を客観的に評価可能。初期評価では、Asta v0が52.5%のスコアを記録し、他システムを上回った。GPT-5ミニやClaude 3.5 Haikuもコスト効率の高さで競合したが、複雑なタスクでは依然として課題が残っている。 さらに「Asta Resources」では、科学用に最適化された言語モデル、API、科学論文データベース(Semantic Scholar API拡張、2億件以上)が提供され、開発者が信頼性の高いエージェントを構築・評価できる環境を整えた。 Astaは、閉鎖的なプロプライエタリシステムではなく、完全にオープンで科学的価値に則った開発を志向。今後はデータ分析機能の強化、実験の再現、長期研究計画支援といった機能も拡充され、研究の全プロセスを支援するAIアシスタントの実現を目指す。Ai2は、AIが科学の進展を牽引する未来を信じ、Astaを通じて世界の研究コミュニティと協働する取り組みを進める。

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