AI生成テキスト、コンピュータサイエンス論文の20%に潜む危険性
4日前
AI生成テキストの使用が、学術論文に広がっていることが明らかになった。米国科学アカデミーの研究によると、コンピュータサイエンス分野の論文の約五分の一が、AIを活用して作成された内容を含んでいると推定されている。この傾向は、2022年末にChatGPTが公開されて以降、急激に顕在化した。 研究チームは、論文の執筆スタイルや語彙の特徴を分析するAI検出ツールを用いて、2020年から2024年までの学術論文を調査。特にコンピュータサイエンス、データサイエンス、機械学習の分野で、AI由来の文章の割合が顕著に増加した。一方で、医学や物理学などの分野では、AI使用の兆候は依然として限定的である。 専門家は、AIの導入が生産性向上につながる一方で、論文の信頼性や学術的誠実性への懸念を示している。AIが誤った情報を生成したり、出典を明示しないまま内容を再構成するリスクがあるため、研究者や学会は「AIの使用を明示するガイドライン」の策定を急ぐ必要があると指摘している。 一方で、AIを補助ツールとして適切に活用すれば、文献レビューの効率化や初稿作成の支援など、研究の質の向上にも寄与する可能性がある。 この動向は、学術界全体にAIの役割と規範の再定義を迫っている。