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ChatGPT、アプリ統合で「AIオペレーティングシステム」へ進化へ

5日前

OpenAIのチャットGPT担当者であるニック・ターリー氏が、チャットGPTを単なるチャットツールから「アプリが統合された新しいタイプのオペレーティングシステム」へと進化させようとしている。2022年に同社に加入し、チャットGPTの商業化を牽引してきたターリー氏は、現在、同アプリを8億人規模の週間アクティブユーザーに向けたプラットフォームとして再定義している。彼の目標は、ユーザーが日常の作業やサービス利用を、チャットGPT内でのアプリ連携で完結できるようにすることだ。 ターリー氏は、過去10年でウェブブラウザが「実質的なオペレーティングシステム」と化したことをヒントにしている。多くの人がデスクトップアプリではなく、ブラウザ上でWebアプリを通じて業務や生活をこなしているように、チャットGPTも将来的にはアプリの「入口」として機能する。このビジョンの実現に向けて、同社はExpedia、DoorDash、Uberといった企業のアプリを統合。ユーザーが会話の中で直接予約や注文ができる仕組みを構築しており、ビジネス面でも収益モデルの拡大を狙っている。 また、ターリー氏は、チャットGPTがOpenAIの非営利的なミッション――人工一般知能(AGI)を人類全体に届けること――の「配信手段」であると強調する。800万人のユーザーが学び、創造、支援を実現している事例(例:89歳の人がコードを学ぶ、自閉症の子どもと社会的対話を訓練)を挙げ、技術の実用化こそがミッションの本質だと説明。消費者ビジネスは「資金源」ではなく、「ミッションの実現形態」と位置づけている。 プライバシー面では、開発者に「必要な最小限のデータ」のみ取得を義務づけ、ユーザーが細かいデータ共有の権限を設定できる仕組み(例:健康情報と音楽の会話は分ける)の開発を進めている。また、アプリの表示順序について、企業が優先表示を求める可能性があるが、現時点では明確な方針は示さず、ユーザー体験を最優先に「慎重な検証」を続けるとしている。 ターリー氏のビジョンは、チャットGPTを「AI時代のデスクトップ」へと進化させるもので、OpenAIが将来のAIエコシステムの中心に立つ可能性を示している。

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