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AIコードツール業界の赤字構造が露呈 高コストのLLM依存が startups の命運を左右

5日前

AIコーディングスタートアップの高コストと圧迫される利益率が、業界全体に深刻な課題を突きつけています。2月、AI開発ツール「Windsurf」はクレイン・パーキンス主導で28億5000万ドルの評価額で資金調達を検討していましたが、実現せず、その後4月にOpenAIへの売却が発表されました。しかし、この取引も破談に。この背景には、AIコーディングツールが「収益ゼロどころか、巨額の赤字」を抱える現実があります。関係者によると、Windsurfは大規模言語モデル(LLM)の利用コストが極めて高く、収益よりもコストの方が上回る「非常に負の粗利益率」に陥っていたといいます。 その理由は、AIコーディングツールが常に最新・最強のLLMを提供しなければならない点にあります。モデル開発企業(OpenAIやAnthropicなど)はコード生成に特化した最新モデルを次々とリリースしており、競合他社との差別化を図るにはそれらを即座に採用する必要がある。しかし、そのコストは膨大で、サプライヤーに依存する構造は持続不可能です。 解決策として、自社モデルの開発が挙げられますが、WindsurfのCEO・ヴァルン・モハン氏はその道を選ばず、代わりにGoogleへの売却を決断。その後、主要株主らに24億ドル相当の報酬が支払われ、残された事業はCognitionに売却されました。同社は「従業員の将来を最優先した戦略的判断」と説明しています。 一方、同業他社のAnysphere(Cursorの開発元)は成長を続け、買収オファーを断りながらも、自社モデル開発に乗り出しています。1月に同社はAnthropicのClaude Codeチーム出身の幹部を採用するも、2週間後に全員が元の会社へ戻るという波乱も。また、最新モデルの利用コストが高騰したため、月額20ドルのProプランユーザーに追加料金を課す措置をとったものの、説明不足で批判を浴びました。 関係者らは、Windsurfに限らず、Lovable、Replit、Boltなど多くのAIコーディングスタートアップも同様に「利益率は中立または負」で、コスト構造はほぼ同じ(±10~15%)であると指摘。一方で、OpenAIのGPT-5が競合より低価格で登場したことで、一部の企業はコスト削減の兆しを見ています。しかし、複雑なタスクに必要な計算リソースが増えるため、全体のインファレンスコストは下がるとは限らず、不透明な状況が続いています。 結局、AIコーディング業界は「モデル供給元に依存する構造」と「自社モデル開発の巨額投資」のジレンマに直面しており、持続可能なビジネスモデルの確立は依然として難しい課題です。

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